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更年期女性の睡眠中の自律神経活動に対しての効果確認
~お茶のアミノ酸「テアニン」~
国立精神・神経センターとの共同研究

2009年11月28日

食品素材の研究・開発メーカーである太陽化学株式会社(三重県四日市市:社長 山崎長宏)は、これまで緑茶成分に関する研究に取り組んでまいりました。この度お茶に含まれるアミノ酸「テアニン」 に関して、更年期女性を対象とした睡眠改善の効果解明を国立精神・神経センター精神保健研究所老人精神保健研究室室長 白川修一郎氏との共同で行いました。今回テアニンは、自分の睡眠状態に不満をもつ更年期女性において、睡眠の質的改善に有効であることがわかりました。

 本研究は、睡眠状態があまり良好でない更年期女性(20名、57.3±3.9歳)を対象に、偽剤(プラセボ)をコントロール(※1)としたクロスオーバーダブルブラインド形式(※2)で行い、就寝1時間前にテアニンを含む錠剤を水で6日間服用してもらいました。そして、睡眠時の自律神経活動について検証しました。

 自律神経の活動は交感神経と副交感神経に分類され、交感神経活動は興奮状態のときには亢進し、リラックスや安静状態のときに低下します。良好な睡眠状態では、交感神経は休息し、副交感神経活動が優位になります。テアニンを摂取することにより、一晩全体において、睡眠中盤から目覚めまでの交感神経活動がより低下し、副交感神経活動が活発になりました。このことから、テアニンは睡眠状態を良好にすると考えられました。

 更年期の女性の77%が自分の睡眠に満足していないという報告もあり、女性の社会進出がますます進む中で、女性の労働環境を整備する上で女性の睡眠の不満をケアする必要があります。テアニンにより睡眠が改善されることで、女性のQOL(生活の質)の向上に大きく寄与すると期待されます。

 尚、この研究は、11月29日(水)、第36回日本臨床神経生理学会大会(会場:パシフィコ横浜 アネックスホール)にて発表いたしました。
  【講演題名】
  「l-theanineによる睡眠改善効果の夜間睡眠時の自律神経活動からの検討」

※1:偽薬は、本物の薬のように見える外見をしているが、効果のある成分は入っていない、偽物の事
    である。
※2:本物と、外観や手触りなど全く本物と同じに構成された偽物の2種類の用品を準備する。被験者
    及び試験者には、これらを目隠しや見えないように隠す等の方法で、試験に用いるものが本物
    あるいは偽物か判らないようにして試験を行う。このことにより思い込みによる効果(プラシボ効果)
    を排除して信頼性のあるデータを採る。 同じヒトが本物と偽者のどちらも飲んで効果の比較を行うこと。

【実施レポート】
この試験は、睡眠の状態があまり良好でない閉経女性20名(57.3±3.9歳)にテアニンを50mg含む錠剤4錠(テアニンとして200mg)を就寝1時間前に水で服用してもらい、睡眠時の心拍から推定される自律神経活動より睡眠の質的状態を検討しました。実験スケジュールは、生活調整3日間、テアニン摂取、プラセボ(偽剤)摂取各6日間のクロスオーバースケジュールです。自律神経は交感神経と副交感神経に分類され、覚醒時は交感神経活動が優位で、睡眠時は副交感神経活動が優位になります。また、興奮状態のときには交感神経活動が促進され、リラックスや安静状態のときには交感神経活動が低下します。良好な睡眠状態では、交感神経は休息し、副交感神経活動が優位となります。

【結果】
1. テアニンを摂取することにより、一晩全体および睡眠中盤から目覚めまでの交感神経活動が低下していました。
2. テアニンを摂取することにより、一晩全体および寝付いてから睡眠の中盤までの副交感神経活動が活発になっていました。

■テアニンとは
・緑茶・紅茶に特有に存在する旨味成分で、茶中で最も多く含まれるアミノ酸。
・緑茶含有率は乾燥茶葉中に1~2%しかない貴重な成分で、玉露などの高級な
  お茶ほど多く含まれており、抹茶には番茶の12倍ものテアニンが含まれている。
・テアニンを摂取することより約30分後からα波を引き出しリラックスの効果が現れる。

 全国的な規模での睡眠調査で、5人に1人が睡眠に何らかの問題を抱え困っているという報告があります。また、高齢者では若年者と比べて睡眠に問題があるとQOL(生活の質)が低下し、生活上の問題も多くなることが知られています。
 55歳を過ぎた頃から睡眠状態があまり良好でない人の割合は増え、75歳を過ぎると女性が男性の割合を大きく上回ります。また、都会に住む女性の多くは、どの年齢層でも自分の睡眠に満足していないという報告もあります。睡眠を原因とする日本国内で生じる経済損失は、年約3兆5000億円に上ると試算されており、睡眠に関する市場は寝具などの睡眠関連商品、住宅、医療なども含め約10兆円のレベルの規模であると推定されています。
 当社では、前回の試験(2003年11月 日本生理人類学会において発表)において青年男性を対象としてテアニンの睡眠改善効果を調べたところ、アンケート調査および日中・夜間の活動量の記録により、睡眠中の中途覚醒が減り睡眠の質が向上したことを確認しました。今回は中高年の女性を対象として睡眠に対する作用を確認しました。