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健康を作る素材のチカラ

Vol.18 骨の健康と緑茶カテキン機能性表示食品にも登場“骨の健康”

1.今、注目の“ロコモ”

3年連続世界一の平均寿命となった日本ですが、今後は、国として健康寿命を延ばすことを目指しています。その取り組みのひとつとして、高齢者が健康な社会生活を営むために必要な機能の維持・向上のため「ロコモティブシンドローム」の認知度向上を挙げています。最近では、テレビコマーシャルやドラッグストアなどでも目にするようになりました。

ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)
・・・運動器の障害のために自立度が低下し、介護が必要となる危険性の高い状態。

ロコモの原因としては、筋力低下などから運動機能が低下することや、変形性関節症や骨粗しょう症などの運動器自体の疾患があります。ロコモ対策として最も重要なことは、適度な運動。運動をする習慣があることで筋力低下を予防し、転倒などのリスクを減らすことができます。
一方、加齢とともに起こりやすいのが骨粗しょう症です。男性でも起こりますが、閉経による女性ホルモンの分泌低下が骨密度を低下させるため特に女性で起こりやすくなります。

2.機能性表示食品でも受理された“骨の健康”

そこで気をつけたいのが骨密度を下げないために必要な栄養を積極的に摂ること。骨を形成するカルシウムや、カルシウムの吸収を促進するビタミンDなどは重要な栄養成分です。それらを補給するサプリメントだけでなく、「骨の健康に役立つ」ことが表示された機能性表示食品も届出が受理され、骨の健康をサポートする成分が注目されています。


中でも、お茶の成分が骨の健康に影響することが報告されているのをご存知でしょうか?お茶の飲用が骨密度に与える影響を調べた疫学調査報告や、お茶に含まれる成分「EGCg」が骨の健康に作用する研究報告をご紹介します。

3.お茶を飲むと骨が丈夫に!?

お茶を飲む習慣がある人は骨密度が高いという疫学調査結果が報告されています1)。台湾で行われた疫学調査で、30歳以上の男性497人、女性540人を対象に、お茶を飲む習慣についておよび他の生活スタイル(喫煙、飲酒、コーヒーや牛乳の飲用など)についてのアンケート調査、および身体3ヶ所(腰椎、股関節頸部、大腿骨頸部)の骨密度を測定しました。その結果、お茶を飲む習慣が6年以上あった人は腰椎の骨密度が高く、さらに10年以上飲んだ人は測定した全ての部位で骨密度が高いことがわかりました(図1)。

図1  茶飲用年数ごとの骨密度(左:腰椎、右:体全体)


4.EGCgは破骨細胞の細胞死を誘導する

骨は、成長期までは活発に作られますが、その後も「破骨細胞」が骨吸収(こつきゅうしゅう)(骨からカルシウムが血液へ溶出すること)し、「骨芽細胞」が骨吸収された箇所を骨形成する「リモデリング」と呼ばれる代謝が絶えず続けられています。しかし、なんらかの原因で「リモデリング」のバランスが崩れて骨吸収が骨形成を上回ってしまうと、骨量が著しく減少し骨粗しょう症につながります。
お茶に含まれるカテキンの一種で最も抗酸化力が高い「エピガロカテキンガレート(EGCg)」が、破骨細胞の細胞死を誘導したという実験結果が報告されています。in vitroの試験で、EGCgで処理した破骨細胞は、EGCgの濃度依存的に細胞死が誘導されていることがわかりました2),3)(図2)。

図2 EGCg処理24時間後の細胞残存比率


5.EGCgは骨粗しょう症を予防する(骨粗しょう症モデルマウス)

EGCgの摂取が骨粗しょう症予防につながる可能性を示唆することも国内外で報告されています。卵巣を摘出した骨粗しょう症モデルマウスにEGCgを連続投与したところ、EGCg無投与の群と比較して、骨密度や海綿骨量比率など骨粗しょう症と関連する指標の悪化を抑制しました4),5)


参考文献
1) C H Wu et al. Arch Intern Med, 162, 1001-1006 (2002)
2) H Nakagawa et al. Biochem Bioph Res Co, 292, 94-101 (2002)
3) 禹 済泰 他、New Food Industry, 49(5), 24-38 (2007)
4) 李 順燕 他、2010年度日本農芸化学会発表
5) D Song et al. Int J Clin Exp Med. 7(11), 4183–4190 (2014)


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