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健康を作る素材のチカラ

Vol.2 過敏性腸症候群(IBS)とグアーガム酵素分解物(PHGG)ストレスや緊張から突如襲ってくる腹痛・・・その救世主とは?

4月は入社・転職・部署異動など、環境が変化しやすいタイミング。
期待に胸が膨らむ一方で、慣れない環境に不安を感じ、心身ともに緊張状態になりがちです。
環境の変化がプレッシャーやストレスとなり、体調を崩してしまう人も見られます。
新年度がスタートし、1か月が経とうとしていますが、みなさま体調を崩されてはいないでしょうか。

1.近年増加の一途をたどるIBS

ストレスが主な要因となり近年患者数が増加している病気の1つに過敏性腸症候群(IBS)があります。世界中で都市部を中心に患者数が増加しており、特に学生や働き盛りの会社員など若い世代に多く、社会的な問題となりつつあります。

通勤や通学の途中で急におなかが痛くなり、トイレに駆け込むことはありませんか?
ストレスや不安、緊張を感じると急におなかが痛くなる、便意を催す・・・。
このような症状をくり返すようなら、それは「IBS」かもしれません。

腸と脳は自律神経によって互いに調節し合い、そのような関係は「脳腸相関」と呼ばれています。脳で感じたストレスが自律神経のバランスを乱し、腸のぜん動運動が活発になり過ぎたり、 けいれんを起こしたりして便通異常が起こるのがIBSです。胃腸の検査では異常が見られないのに、腹痛を伴う下痢や便秘が慢性的に続く、あるいは交互に繰り返される疾患です。IBSになると便通異常がストレスとなり、さらに症状が悪化するというように悪循環に陥りやすいという問題があります。もともとのストレスの原因を取り除くことが必要ですが、IBSの症状を改善し悪循環を進行させないことも大切です。

2.高食物繊維摂取がIBSに及ぼす影響

便通を改善するための素材の1つに食物繊維が知られています。意識することで簡単に普段の食生活に取り入れることができることも利点です。
ここでは、不溶性の食物繊維を多く含む小麦ふすまと水溶性食物繊維のグアーガム酵素分解物(PHGG)※の摂取がIBSの症状に及ぼす影響について研究したデータをご紹介いたします。

(1)試験方法

成人188名のIBS患者を2群(94名ずつ)に分け、1つの群には小麦ふすまを1日あたり30g、もう一方の群にはグアーガム酵素分解物(PHGG)を1日あたり5g、12週間摂取させました。4週間ごと(4週間目、8週間目、および12週間目)に、腹痛の程度、排便状態(頻度、便の状態など)について評価しました。摂取後4週間目に、自分の体感に基づき、希望する者は摂取する成分を変更できることとしました。

(2)高食物繊維摂取がIBSに及ぼす影響

各摂取群で、腹痛の程度、排便状態を評価したところ、小麦ふすま、PHGGいずれを摂取した場合も改善がみられました。Per-protocol-strategy解析(※1)では小麦ふすま摂取群、PHGG摂取群の間に改善の程度の差は見られませんでした。一方で、ITT解析(※2)を行うと、グラフに示すように、PHGG摂取群の方が有意に改善することが示唆されました。

症状が改善した人の割合

※1 Per-protocol-strategy解析
  脱落例を除外し、治療を完遂した例だけで解析する方法
※2 ITT(Intention to treat)解析
  ランダム化比較試験の結果を解析する場合に脱落者も含めて解析する方法。
  実際の臨床現場で認められるであろう効果をより正確に再現できます。

また、被験者から、各食物繊維を摂取して体感があったかどうかについて、改善した、変わらない、悪化した、の3段階で回答を得ました。摂取後4週間で、小麦ふすま摂取群では50.5%(47名)が改善したと答えたのに対し、PHGG摂取群では88%(81名)が改善したと答えました。またこのとき、小麦ふすま摂取群から46名がPHGG摂取に、PHGG摂取群からは10名が小麦ふすま摂取に変更しました。

試験区の人数の変化

摂取8週間後(変更後4週間)、PHGGから小麦ふすまに摂取を変更した人のうち、症状が改善したと回答したのは20%(2名)だったのに対し、小麦ふすまからPHGGに摂取を変更した人では66.7%(30名)が、症状が改善したと答えました。

症状が改善した人の割合

(3)継続摂取しやすいPHGG

IBS患者には1日に20~30gという多量の食物繊維を摂取することが有効とされていますが、現実にはこれだけの量を毎日摂取することは難しく、また摂取によって膨満感や腹部の不快感が生じ継続が難しいということも指摘されています。一方、PHGGは1日あたり5gの摂取で小麦ふすまを30g摂取した場合より改善がみられました。また、途中で脱落する人の割合も小麦ふすま摂取群より少なかったことから、PHGGは継続して摂取しやすいと考えられます。

参考資料

1) Parisi GC, Zilli M, Miani MP, Carrara M, Bottona E, Verdianelli G, Battaglia G, Desideri S, Faedo A, Marzolino C, Tonon A, Ermani M, Leandro G.; High-fiber diet supplementation in patients with irritable bowel syndrome (IBS): a multicenter, randomized, open trial comparison between wheat bran diet and partially hydrolyzed guar gum (PHGG) , Dig Dis Sci. 2002 Aug;47(8):1697-704.

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