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健康を作る素材のチカラ

Vol.1 免疫とカテキン・テアニン『免疫とカテキン・テアニン』お茶のチカラでインフルエンザ・風邪予防!

元気に毎日を生きる。そんな誰もが願う「健康な生活」を支えるのが、「体の抵抗力=免疫力」。高齢化が進む日本では特に、「健康で長生きをする」ことが重要視されつつあり、免疫力を高める方法や食材などの情報も、ネット、テレビなどのメディアで頻繁に取り上げられています。 では「免疫力を高める」とはどういうことでしょうか。その一例として、お茶に含まれるカテキン・テアニンの摂取による「インフルエンザの予防・症状緩和」について、研究データとともにご紹介します。


1.日本におけるインフルエンザ

日本では毎年約1000万人がインフルエンザに感染しており、国民の10人に1人が罹患していることになります。いったん流行が始まると短期間に多くの人へ感染が拡がるため、学校の場合は学級閉鎖、企業などでも感染拡大を防ぐために出勤停止の措置をとっているところもあり、社会的に大きな影響をもたらします。子ども、高齢者、免疫力の低下している方では、肺炎を伴う等重症化し、生命そのものが危うくなることもあります。最近では新型インフルエンザにも強毒性の型が流行することもあり、自らその脅威から身を守る方法が求められています。

2.カテキン、テアニンの摂取がインフルエンザや風邪への罹患・症状に及ぼす影響

カテキンは緑茶に、テアニンは玉露、抹茶などにそれぞれ多く含まれる成分です。昔から、お茶を飲んだり、お茶でうがいをしたりすると風邪を引きにくいと言われています。そこで、お茶に含まれる成分のうち、カテキンおよびテアニンの摂取によるインフルエンザや風邪の罹患や症状に及ぼす影響について、ヒトによるボランティア試験を行いました1)

(1) 試験方法

21歳から70歳(平均年齢29歳)の健康な成人男女に対し、カテキン+テアニンの摂取がインフルエンザや風邪の罹患や症状に及ぼす影響について、二重盲検法により試験を行いました。試験時期は、2006年1月下旬~5月上旬にかけて、インフルエンザや風邪が流行する時期に行いました。試験対象者は、1年以内に化学療法や免疫抑制の治療を受けた人や1日に250mL以上のお茶を飲む習慣のある人など、一定の条件に当てはまる人は除外した上で、カテキン+テアニン摂取群(カテキン340mg、テアニン200mg)は55名、プラセボ摂取群は53名で行いました。

(2) カテキン+テアニンの摂取とインフルエンザ症状発症件数、症状継続日数への影響

カテキン+テアニンを摂取したグループでは、プラセボを摂取したグループに比べ、症状の出た人の割合が約20%低くなりました(図1)。また、症状が出た人の中でも、症状が継続した日数の合計が、プラセボ摂取群よりカテキン+テアニン摂取群の方が有意に少なくなりました(図2)。一人当たりの症状継続日数に換算すると、カテキン+テアニン摂取群ではプラセボ摂取群より約2日症状が早く改善したことになります。


図1 症状が出た人の割合


図2 症状が続いた日数(合算)
患者1人当たりの症状日数(3ヶ月平均)はプラセボ摂取群:11.6日、カテキン+テアニン摂取群:9.7日

(3) カテキン+テアニンの摂取と免疫細胞の活性化

プラセボまたはカテキン+テアニンを3週間摂取した被験者の血液成分を検査し、免疫細胞の活性化により分泌されるサイトカイン(IFN-γ)の生成量を測定しました。カテキン+テアニン摂取群では、INF-γの生成量がプラセボ摂取群に比べ多くなっていることがわかりました。カテキン+テアニンを摂取することによって、免疫が活性化していることが示唆されました。


図3 被験者の血中単核細胞が生成したIFN-γ量

(4) カテキン、テアニンのインフルエンザ・風邪の予防および症状緩和のメカニズム

a.カテキンがインフルエンザウイルスを凝集する2)

インフルエンザウイルスを含んだ溶液に緑茶抽出物を添加し、その溶液を感染させた細部を培養したところ、カテキン(EGCg)の濃度に依存して、ウイルスに感染したことを示すプラーク形成が抑制されました。電子顕微鏡で観察すると、緑茶抽出物を添加した系ではウイルスが凝集していることがわかりました。このことによって、ウイルスの細胞への感染を防いでいると考えられています。

b.テアニンによる免疫細胞の活性化3)

テアニン加水分解物を添加して免疫細胞を培養すると、添加しない場合に比べてより細胞数が増加しました。テアニンを摂取した場合にも免疫細胞が増加することが確認されています。このことから、テアニンが体内で代謝された成分が免疫細胞を活性させると考えられます。

カテキン、テアニンを摂取することでインフルエンザや風邪の予防や症状を緩和することが示唆されました。これらは、カテキン、テアニンの摂取により免疫が活性化されていることによるものと考えられます。

参考資料

1) Rowe, C. A., Nantz, M. P., Bukowski, J. F. and Percival, S. S.; Specific Formulation of Camellia sinensis Prevents Cold and Flu Symptoms and Enhances γδ T Cell Function: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study, J Am Coll Nutr 26(5),445-452 (2007)

2) M. Nakayama, K. Suzuki, M. Toda, S. Ohkubo, Y. Hara, T. Simamura; Inhibition of the infectivity of influenza virus by tea polyphenols, Antiviral Research (21),289-299 (1993)

3) J. F. Bukowski, C. T. Morita and M. B. Brenner; HumanγδT cells recognize alkylamines derived from microbes, edible plants, and tea: implications for innate immunity, Immunity 11(1),57-65 (1999)

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