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健康を作る素材のチカラ

Vol.3 腸内環境とグアーガム酵素分解物(PHGG)・茶ポリフェノール超健康!腸健康?

1.腸の働きが外敵から体を守る

腸は「最大の免疫器官」「第二の脳」などと言われるくらい、体の健康に重要な役割を果たしています。腸は、食べたものや飲んだものの中から、本当に体に必要な栄養素は吸収し、害となる物質や細菌、ウイルスなどは排除しています。この働きに大きく関わっているのが「腸内細菌」と「腸の上皮細胞」です。

2.腸内細菌のバランスが重要

腸内細菌には大きくわけて、「善玉菌」と「悪玉菌」、そして、普段はどっちつかずですが悪玉菌が強くなると悪玉菌の味方にまわってしまう「日和見菌」の3種類があり、これらはつねに腸の中で勢力争いをしています。老化やストレス、偏食や薬剤のなどの影響により、このバランスは簡単に変わってしまいます。腸内環境を良くするには、いかに善玉菌にとって有利な状態にしておくか、ということが重要なポイントになります。

3.善玉菌を増やすには

善玉菌をおなかの中で増やすには、大きく2つあります。1つはヨーグルトや乳酸菌など善玉菌を含む食品を摂ることで「プロバイオティクス」といいます。もうひとつはオリゴ糖や水溶性食物繊維など善玉菌のエサになるものを摂ることを「プレバイオティクス」といいます。さらには両方を組み合わせて腸の善玉菌を増やすことを「シンバイオティクス」といいます。

4.腸の上皮細胞を丈夫にするには

全身で作られる免疫細胞の約7割が腸で作られており、腸管にやってきた物質が体にとって無害か有害かという判断を、脳からの指令ではなく腸管にある免疫細胞が直接判断しています。腸の上皮細胞がひ弱になってしまうと、この機能がうまく働かなくなり、病原菌やウイルスなどを体内にとりこんでしまいます。
では、どうすれば腸上皮細胞を丈夫に保てるのでしょうか?それは、善玉菌が作る「短鎖脂肪酸」が鍵を握っています。私たちが食事で糖類や食物繊維を食べると、消化されずに胃と小腸を通過した分は大腸まで到達します。そして、大腸にいる腸内細菌のエサになると、発酵分解されて酸性の物質が作られます。これが短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸には、酢酸、プロピオン酸、酪酸の3種類の酸があります。酢酸は吸収されて筋肉で代謝されるので、大腸の蠕動運動を活発にします。プロピオン酸は、吸収されて肝臓で代謝され、コレステロールを低下させます。一方、酪酸は、ほとんど吸収されずに大腸で直接使われ、上皮細胞のエネルギー源となり細胞を増やしてくれます。そのため、短鎖脂肪酸の中でも特に「酪酸」が腸の健康に関わっていると考えられています。

5. グアーガム酵素分解物(PHGG)ならびに茶ポリフェノールの摂取が腸内環境へ及ぼす影響

体の健康に重要な役割を担う腸の働きを活発にするためには、腸内環境を善玉菌有利な状態にすること、短鎖脂肪酸、特に酪酸を多く産生させることが重要と述べてきましたが、これらに関し弊社が研究してきた中でわかってきた、グアーガム酵素分解物(PHGG)と茶ポリフェノールの摂取による腸内環境への影響をご紹介いたします。

5-1:グアーガム酵素分解物 (PHGG)の腸内環境への影響

<試験方法>

22~39歳の健康な成人被験者9名を対象に行いました。試験期間は6週間とし、はじめの2週間をコントロールA、3週目をテスト1、4週目をテスト2、最後の2週間をコントロールBとしました。PHGG7%水溶液100mLを1日に3回、テスト1およびテスト2の期間のみ摂取しました(1日のPHGG摂取量:21g)。各期間の糞便を採取し、さまざまな項目について測定しました。

<糞便中の細菌バランス>:PHGG摂取により糞便中の善玉菌が増加

糞便の培養による菌数測定でよく用いられる光岡らの方法で採取した糞便中の菌数を測定しました。測定した全種の菌数に対するビフィズス菌属(代表的な善玉菌)の菌数の割合を算出したところ、コントロールA(PHGG摂取前)では14.7%だったのに対し、PHGGを摂取したテスト1期間では31.7%、テスト2期間では24.8%となり、コントロールA期間と比較し有意に増加しました。一方、PHGG摂取を終了したコントロールB期間では14.5%となり、PHGG摂取前と同程度の数値となりました。

<糞便中のpH>:PHGG摂取により糞便中のpHが低下

採取した糞便のpHを測定したところ、PHGG摂取期間(テスト1、2)ではPHGGを摂取していない期間(コントロールA,B)と比較し低い値となりました。特に、テスト2では、有意に低い値となりました。

<糞便中の腐敗物質>:PHGG摂取により糞便臭が軽減

糞便中に含まれるアンモニアやその他の腐敗物質を測定したところ、アンモニアはPHGG摂取期間(テスト1、2)ではPHGGを摂取していない期間(コントロールA,B)と比較し有意に低い値となりました。その他の腐敗物質についても同様の傾向となり、特に大便の臭い物質であるインドールは、テスト2では有意に低い値となりました。

Okubo T, Ishihara N, et.al, Effects of partially hydrolyzed guar gum intake on human intestinal microflora and its metabolism, Biosci. Biotech. Biochem. 58(8),1364-1369 (1994)

5-2:茶ポリフェノールの腸内環境への影響

<試験方法>

22~48歳の健康な成人男女8名を被験者とし、試験期間中、彼らには一般的な日本食の食事を摂取させました。試験期間を4つの区分に分け、はじめの2週間をコントロールA、3~4週目をテスト1、5~6週間目をテスト2、7~8週間目をコントロールBとしました。テスト1および2の期間、茶ポリフェノールを1回400mg、1日3回、食事の30分前に摂取させました。各期間の被験者の糞便を採取し、さまざまな項目について測定しました。

<糞便中のpH>:茶ポリフェノール摂取により糞便中のpHが低下

採取した糞便のpHを測定したところ、茶ポリフェノール摂取前と比較し、摂取後3~4週間目にあたるテスト2の期間では有意に低い値となりました。

<糞便中の細菌数>:茶ポリフェノール摂取により有害性のある菌が減少

光岡らの方法により、採取した糞便中の菌数を測定しました。試験期間中、茶ポリフェノール摂取前、摂取中、および摂取後を通じて菌の総数はあまり変化しませんでしたが、ヒトへの有害性をもつものが多いクロストリジウム属菌が、茶ポリフェノール摂取3~4週間目(テスト2期間)で摂取前に比べて有意に減少しました。クロストリジウム属のひとつであるウェルシュ菌も、同じくテスト2期間で減少しました。

<糞便中の揮発性単鎖脂肪酸>:茶ポリフェノール摂取により糞便中の揮発性単鎖脂肪酸が増加

採取した糞便中に含まれる揮発性の短鎖脂肪酸の量を測定しました。茶ポリフェノールの摂取期間中(テスト1、2)で増加傾向が見られ、テスト2の期間では有意に上昇しました。

Tsutomu Okubo, Noriyuki Ishihara, et.al, In Vivo Effects of Tea Polyphenol Intake on Human Intestinal Microflora and Metabolism, Biosci. Biotech. Biochem. 56(4),588-591 (1992)

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