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健康を作る素材のチカラ

Vol.5 NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)と緑茶カテキンNASHって何?~お酒を飲まなくても注意が必要な脂肪肝~

1.7月28日は、日本肝炎デー

世界保健機構(WHO)が2011年に7月28日を世界肝炎デーとしたのに合わせ、日本でも厚生労働省が毎年同日を「日本肝炎デー」と設定し、肝炎の蔓延防止、差別偏見の解消、感染予防など啓発活動を実施するよう呼びかけています。
日本の肝炎患者は300~370万人ほどといわれており、そのほとんどがウイルス性の肝炎です。一方で、栄養過多やアルコール摂取が原因の脂肪肝も増えており、成人の10~30%が罹患しているといわれています。脂肪肝は肝炎などの肝障害、さらには肝硬変や肝癌にまで進行する可能性があります。日本人の死因第1位はガンですが、肝癌はその中の5番目の要因となっています。肝癌を含め、肝臓病関連の年間の死者数は約4万5千人を超えています(平成25年)。

2.NASHって? -非アルコール性脂肪性肝炎-

肝臓病というとお酒の飲みすぎでかかる病気のイメージが強いですが、お酒をまったく飲まない人でも、アルコール性肝障害に似た、肝硬変や肝癌に発展する可能性が高い肝炎にかかるケースがあります。これを、非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)といいます。
脂肪や栄養の摂り過ぎ、運動不足が主な原因で、肥満やメタボリックシンドロームなども要因となります。糖尿病患者の死因の10%以上が肝疾患関連であるという報告もあり、生活習慣病と深い関係があることがわかります。脂肪肝の罹患者全体としては男性が圧倒的に多いですが、NASHに絞ると中高年女性にも多く、閉経後に内臓に脂肪が蓄積されやすくなることが原因と考えられています。
「肝臓は沈黙の臓器」といわれるように、自覚症状がほとんどないまま病状が進行してしまいます。健康診断で軽い肝機能障害や脂肪肝と言われたら、詳しい検査を受け早期発見をすることが大切です。

3.脂肪肝の検査

血液検査では、肝機能の指標であるトランスアミラーゼ(AST、ALT)の値が上昇します。過食や糖尿病による脂肪肝の場合、AST/ALT比が1以下となりますが、アルコール性の場合はその比が1以上となります。アルコール性の場合はγ-GTPがより高くなる傾向にあります。
画像検査には、超音波検査(エコー)、CTスキャンなどがあります。いずれも、肝臓脂肪と脾臓の脂肪の比率で病態を疑います。
これらの検査では、脂肪肝の疑いはわかりますが、脂肪性肝炎の診断には限界があり、肝生検による組織診断が唯一有効です。

4.緑茶カテキンがNASHに及ぼす影響

<試験方法>

NASH患者38名(平均年齢50±16歳)のうち、26名は緑茶カテキン摂取群として、1日あたり600mgの緑茶カテキンを含む錠剤を6ヶ月間摂取させました。残りの12名は、コントロール群として、プラセボの錠剤を同期間摂取させました。どちらの群も、食事療法、運動療法を併用しました。

【肝機能への影響】

肝機能の指標のひとつである血清中酵素(AST、ALT、γ-GTP)の活性を、摂取前、摂取3ヵ月後、摂取6ヵ月に測定したところ、いずれの数値もプラセボ摂取群では上昇していたのに対し、緑茶カテキン摂取群では横ばいとなりました。

また、肝線維化マーカーであるⅣ型コラーゲンを測定したところ、緑茶カテキン摂取群ではプラセボ摂取群と比較して有意に減少しました。

【体脂肪、血清脂質への影響】

被験者のBMI(kg/m2:体重÷身長2)ウエスト(cm)を測定したところ、プラセボ群では摂取前、摂取6ヵ月後でほとんど変化がありませんでしたが、緑茶カテキン摂取群では、BMIは1.5、ウエストは2.9cm、平均値が減少しました。
また、CTスキャンによる体脂肪分布を測定したところ、内臓脂肪と皮下脂肪の比率を示すV/S比、肝臓と脾臓の脂肪量のCT値比(L/S比)、いずれも摂取6ヵ月後で有意に値が改善しました。血中の中性脂肪やコレステロールの値も、緑茶カテキン摂取群では有意に減少がみられました。

NASH患者に緑茶カテキンを摂取させると、肝機能の指標となる各種酵素活性、線維化や炎症マーカーの改善がみられました。さらに、NASHと関連性の高い肥満や体脂肪、中性脂肪やコレステロール値の改善も見られました。これらのことから、緑茶カテキンは、抗酸化・抗炎症作用から直接肝機能に対して作用するだけでなく、脂肪の代謝にも寄与することでNASHの進行を防ぐことが期待されます。

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