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健康を作る素材のチカラ

Vol.23 運動による酸化ストレスと緑茶カテキン運動で体にダメージ!?酸化ストレスに負けない体づくりに緑茶カテキン

1.過度な運動はなぜ体に悪い?

数年前からのマラソンブームに続き、女性専用30分フィットネスや、短期間での肉体改造ジムなどもブームとなっており、さまざまな形で運動をする機会が増えています。
適度な運動は健康によいですが、過度になると、体によいことばかりではなくなってきます。運動をすると、エネルギー代謝を促進するとともに、活性酸素を発生します。活性酸素は、生命維持に酸素を必要とする好気性生物がエネルギーを作るときに必ず発生するので、ヒトの体内でも生きているだけで必ず発生します。活性酸素は反応性が高いので、細菌などの外敵をやっつける働きがあることが知られています。しかし、自分自身のDNAや細胞も傷つけてしまい、これが酸化ストレスとしてがんや生活習慣病をもたらす原因にもなっていることが指摘されています。
運動をすると酸素の消費が増えるので、活性酸素の発生も増えてしまいます。一方で、その酸化をもとに戻そうとする還元能も高まります。活性酸素の発生と還元能のバランスがとれる程度の運動の強度が健康に一番よいと考えられますが、さらに運動強度が強い場合は、身体の還元能が追いつかなくなってしまいます。そこで、抗酸化機能の高い成分を外から摂取することで還元能を補う必要があります。

2.酸化ストレスを軽減する身近な味方、緑茶カテキン

お茶に含まれるカテキンは、食品に含まれる成分の中でも非常に抗酸化力が高いことが知られています。そこで、運動時に、カテキンを摂った場合と摂らない場合の身体の酸化度合いを測定しました。日常的に運動をしている成人男性8名に、緑茶由来カテキン780mg単回摂取のあと運動をしてもらい、摂取から60分後(運動後)に身体の酸化度(d-ROMs)と還元度(BAP)を測定しました。運動は、エルゴメーターによるサイクリング運動で、予め測定しておいた最大酸素摂取量(VO2 MAX)の40%から段階的に強度をあげ、最終的にVO2 MAXに到達するまで20分実施しました。また、カテキンを摂取しない場合の比較として、同じ被験者でカテキンを摂取せずに同じ運動をした場合での測定も行いました。

その結果、カテキンを摂取した場合も摂取しない場合も、運動前に比べて運動後は酸化度(d-ROMs)、還元度(BAP)いずれも高くなりましたが、カテキンを摂取した場合は、酸化度(d-ROMs)の上昇量がカテキンを摂取してない場合に比べて抑えられる傾向であることがわかりました。また、BAP とd-ROMsの比率(BAP /d-ROMs:数値が高いほど酸化度が低いことを示す)は、カテキンを摂取した場合は、カテキンを摂取しない場合に比べて高くなっている傾向が見られました。


今回の試験では、カテキンのありなしによる有意差は見られませんでしたが、その原因のひとつとしては、被験者の人数が少なかったことがあげられます。d-ROMsやBAPは個人によって大きく数値が異なるため、被験者を多くすることで、カテキンによる効果がどの程度あるのか、さらなる解明が期待されます。

[用語説明]
酸化度(d-ROMs):血中の活性酸素代謝物(主にヒドロペルオキシド;ROOH)を測定して評価される酸化ストレスの度合い
還元度(BAP):第二鉄(Fe3+)イオンを第一鉄(Fe2+)イオンに還元できる抗酸化力の血中濃度を測定して評価される還元能の度合い
最大酸素摂取量(VO2 MAX):単位時間あたりに体内に取り込まれる酸素量の最大値。酸素摂取量は、運動時間とともに増加するが、運動強度を上げても酸素摂取量が増加しなくなる値がその個人の最大酸素摂取量となる。

M Sugita, M P. Kapoor, et al. Nutrition, Vol. 32, Issue 3, p321–331 (2016)

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