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健康を作る素材のチカラ

Vol.11 睡眠とL-テアニン (2) 話題の機能性表示、有力候補はこの素材!

1.機能性表示に必要なこと

食品の機能性表示制度の緩和が目前にせまる中、消費者庁からは1月末ごろまでにガイドラインが発表される予定です。すでに、新たな制度に対応した「機能性表示食品」の開発を積極的に進めているところもあれば、まずはガイドラインや市場の状況を様子見している企業さんもいらっしゃるでしょう。いずれにしても皆さん興味があるのは「どのような成分が」「どういったヘルスクレームが」可能なのかといったところではないでしょうか。

これまでに公表されている情報ではっきりしているのは、
 ・安全性が確保された成分、および製品であること
 ・機能性について、科学的根拠をもって説明できること
が最低限必要であるということです。

2.安全・安心について

「機能性表示食品」は、健康維持・向上を目的に摂取するわけですから、健康被害が起きないようにするための十分な検証、信頼性のある情報収集が必要です。成分としての安全性試験や過剰摂取試験はもちろん、原料自体が安全・安心な工場で製造されているかどうか、主成分以外に危険性のある成分が含まれていないかなども要チェックです。製造工場の安全性や衛生管理、品質管理を担保したさまざまな認証基準がありますので、そのような認証を取得している工場で製造された原料であれば、より安全性は高いといえるでしょう。

3.機能性の科学的根拠について

新制度では、表示しようとする機能性について、
 (1)最終製品を用いた臨床試験の実施
 (2)最終製品若しくは機能性関与成分に関する研究レビュー
を企業等で行うことが適当だとされています。(2)の研究レビューに関しては、査読付きの論文等のシステマティックレビューが必須であり、またそこから有用な結果を得るには論文の質を適切に吟味することも重要となります。

4.L-テアニン×睡眠

過去のメールマガジンで、L-テアニンの睡眠に対する影響についての論文を紹介しました。これらは、ヒト(日本人)による摂取試験であり、いずれも査読付き論文です。
http://www.taiyokagaku.com/health/sleep


睡眠関連の市場は今大きな注目を浴びています。機能性表示食品においても例外ではないでしょう。しかし、睡眠に影響を及ぼす成分と聞くと、摂取による強い眠気の誘発や気分の抑うつ状態などが起こるのではないかという懸念が考えられます。

5.L-テアニンの日中眠気に対する影響

試験は23~41歳の健常男性を対象とし、プラセボをコントロールとしたクロスオーバー・ダブルブラインド試験により実施しました。L-テアニンを50mg含む錠剤4錠(L-テアニンとして200mg)またはプラセボ錠を摂取し、60分後に覚醒水準を評価する試験を行いました。試験は、午前中は10~11時に、午後は14~17時に実施し、覚醒状態の客観的評価としてはPsychomotor Vigilance Task, PVTプログラム※1を用いました。覚醒水準が低下した場合、正答率が悪化し、正答反応時間が長くなります。主観的な評価にはVisual Analog Scale, VAS※2を用い、被験者の覚醒状態や気分などの心理状況を評価しました。
PVTプログラムによる正答率、正答反応時間の結果は、午前、午後ともL-テアニン摂取群およびプラセボ摂取群の間に有意な差は認められませんでした。また、VASによる主観的評価においても、群間の有意差はないか、あってもL-テアニン摂取群の方が良好な結果でした。VAS評価項目のうち、強い眠気を示す「眠くて倒れそうである」という設問に対しては、L-テアニンを摂取した群でも適正な覚醒状態であることを示しました。以上のことから、日中にL-テアニンを摂取しても、強い誘眠作用を起こさず覚醒状態を適正なレベルに調整できることが示されました。


図1 PVT(客観的評価)結果
   左:正答率  右:正答反応時間
   どちらも、L-テアニン摂取群とプラセボ摂取群の間に有意差はない



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図2 VAS(主観的評価)結果
   眠気が強くなりやすい午後にテアニンを摂取しても、誘眠作用は示さない

※1  Psychomotor Vigilance Task, PVTプログラム
精神力動的覚醒水準課題テスト。コンピュータ画面に決められた図形がランダムに不定期に表示され、指定された図形が表示された場合に左クリック、他の図形が表示された場合は右クリックするという作業を継続する試験。本試験では、10分間行った。

※2  Visual Analog Scale, VAS
10cmの水平線の両端に「全くそのとおりだ」と「全く違う」とが記載されており、被験者は設問に対して主観的にその割合を線分したときの距離の長さをその設問の得点とする方法。本試験では、各質問内容において適正な覚醒水準や良好な心理状況を100点満点とした。

出典:小関 誠ら,日本生理人類学会誌 13(1),9-15 (2008)

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