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健康を作る素材のチカラ

Vol.30 睡眠状態を客観的にみる方法

 睡眠状態を客観的に測定する方法としては、睡眠中の生体現象を複数同時に記録する睡眠ポリグラフ(PSG)があります。米国睡眠学会では、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、口鼻孔気流、胸腹部の呼吸努力、動脈血酸素飽和度(SpO2)、前脛骨筋筋電図等を同時に記録し、また赤外線カメラ等で被験者の睡眠中の寝姿を観察・記録することを最も精度の高いPSGの施行法として推奨しています。脳波の測定からは睡眠と覚醒の区別と睡眠深度、眼球運動と筋電図からはレム睡眠期の判定が行われます。口鼻孔気流、胸腹部呼吸運動、動脈血酸素飽和度(SpO2)の測定は、睡眠時無呼吸症候群に関わる呼吸障害判定のために行われます。

 しかし、これらを同時に測定するには、多くのセンサーを体中に取り付ける必要があります。自宅での測定は難しいため検査室での測定となり、自宅での睡眠と異なるため環境の影響が否定できません。また装置自体が高価で結果の解析にも専門的知識が必要となるため、容易に測定できる方法とはいえません。

 より簡易的に睡眠状態を測定できる装置のひとつに、アクチグラフがあります。アクチグラフでは、微小な加速度変化を感知することで、体動量があらかじめ設定した閾値以下になると睡眠と判定します。評価としては睡眠・覚醒の判別のみとなりますが、総睡眠時間、中途覚醒時間などの客観的な測定に有効です。PSGでの睡眠判定との一致率も高いことが報告されていることから、睡眠研究でも多く使用されています。

 睡眠を評価する場合、客観的な評価だけでなく主観的な評価も重要です。主観的な評価方法のひとつとしては、こちらでも紹介した「OSA睡眠調査票(MA版)」があります。これらの評価方法を組合せ、多面的に評価する必要があると考えられます。

参考文献

白川 修一郎,生体医工学,46(2):160-168 (2008)
眠りの科学とその応用-睡眠のセンシング技術と良質な睡眠に向けての研究開発-.本多和樹監修,シーエムシー出版(2015)

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