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健康を作る素材のチカラ

Vol.28 機能性表示×睡眠

2015年4月に「機能性表示食品」の制度が始まって、約1年5ヶ月がたちました。機能性表示食品とは、科学的根拠に基づいて、健康の維持や増進に役立つ機能性を表示することができる食品です。この制度が始まる以前は、国が個別に許可した特定保健用食品(トクホ)と国の規格基準に適合した栄養機能食品に限られていました。
2016年8月26日現在、機能性表示食品として届出が受理された商品は399件あります(撤回除く)。その中には、「脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収をおだやかにする」といった、従前のトクホで表示されていた機能をうたうものも多くみられますが、その一方で、機能性表示食品で初めてうたわれるようになった機能もあります。そのひとつに「睡眠」に関する機能があります。

睡眠関連の機能性表示食品は、14件受理されています(8月26日時点)。そのうち、機能性関与成分がテアニン(L-テアニン)であるものが10件と一番多くなっています。表示されている機能性は、「健やかな眠りをサポート」「睡眠の質を高める」など、睡眠の質を改善する機能があることがわかりやすい表示となっています。

それでは、睡眠の質を改善する機能は、どのような科学的根拠があれば表示が可能でしょうか。ガイドラインによると、機能性表示食品に表示できる機能性の範囲は、
①容易に測定可能な体調の指標の維持に適する又は改善に役立つ旨
②身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する又は改善に役立つ旨
③身体の状態を本人が自覚でき、一時的な体調の変化(継続的、慢性的でないもの)の改善に役立つ旨
とあります(ただし、医薬品と誤認されてはいけない)。さらに、主観的な指標によってのみ評価可能な機能性の場合は、その指標は日本人において妥当性が得られ、かつ、学術的に広くコンセンサスが得られたものとする、となっています。

睡眠の質の場合、評価が体感(=主観的な指標)による部分があるため、「日本人において妥当性が得られ、かつ、学術的に広くコンセンサスが得られた」指標が必要となります。その指標のひとつとして、日本人で標準化された「OSA睡眠調査票(MA版)」(※1)という睡眠状態を評価する尺度があります。この調査票は「起床時眠気」「入眠と睡眠維持」「夢み」「疲労回復」「睡眠時間」の5つの因子で構成されています。これらが改善されれば、睡眠の質が改善されたと評価することが可能です。

テアニン(L-テアニン)200mgを就寝前に摂取し、OSA睡眠調査票(MA版)を用いて睡眠の主観的評価を行ったところ、5つの因子のうち特に「起床時眠気」と「疲労回復」について有意に改善が見られました。これらが改善したということは、睡眠の質が改善されていることを示すと考えられます。また体感としても、起床時眠気と疲労回復が改善するということは、起きたときに眠気がなくスッキリしているという体感が得られることが期待できます。

睡眠時間が短いといわれる日本人。日々の生活に追われていると、日常的に十分な睡眠時間を得ることはなかなか難しい人も多いでしょう。テアニンのような機能性素材が、限られた睡眠時間でもより睡眠の質を高め、起きている活動時間を有意義にすることをお手伝いできるかもしれません。

※1 山本由華吏、田中秀樹、高瀬美紀、山崎勝男、安住一雄、白川修一郎 , 中高年・高齢者を対象とした OSA 睡眠調査票 (MA 版 ) の開発と標準化 , 脳と精神の医学 , 10(4) 401-409, 1999

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