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TAISETの研究開発ストーリー

開発のきっかけは、ちょっとした偶然から。
■菜種油の固化
Photo
無添加     5%添加
(わずかな添加量で固化)
TAISETを開発した研究員名坂は6年前、特定のテーマを与えられずに乳化剤の応用研究にフリーに携われる立場となった。名坂は営業サイドから受けるテーマに対応していくとともに、その合間を縫って以前から自分が温めていたテーマにも取り組み始めた。それは“ポテトチップスを食べる時の手につく油のベタつきを抑える”というものであり、チョコレートの油脂結晶化(チョコレートが白くなる)を防ぐ乳化技術を応用しながら実験を繰り返していった。なにしろ立場的には時間的な余裕があったので、いろいろな乳化剤の組み合わせを作り、それを油と攪拌し、その油でポテトチップスを自分で揚げてみて効果を確かめるといったことを続けていった。そんなある日、名坂はたまたま所用があり、使った油の後片付けをせずに帰ってしまった。そしてその翌朝出社して、昨日の油を片付けようとした名坂は、鍋の中をのぞいて驚いた。油が固まっていたのだ。大量に乳化剤を入れれば油が固化するのは当たり前だが、試していたのはわずか1〜2%の添加量であり、たったそれだけの量で油が固化することはこれまでの技術では考えられないことだった。


“好奇心”を原動力とし、会社をあげて開発を加速化。
「これはおもしろい商品になる」と直感した名坂は、それ以来、部下の坂本を巻き込んでメカニズムの解明とバックデータ取りに熱中する。何しろ偶然から生まれた産物であり、その後が大変であった。そもそも油についてどのようなデータを取ればよいかわからないところから始まり、油の種類や温度などでの変化を試し、ようやく技術としてのメドがたってきた。そして、この技術が実際にどのような使い方ができるのかを検討していく中で、“マーガリンなどの油脂の固さを出すために、現在使われているトランス脂肪酸含量の高い硬化油の代わりに使える”ことがわかってきた。
そして名坂はこの段階で、社長の山崎に対し機会をとらえてプレゼンにおよんだ。山崎は話しを聞くなり、「おもしろい技術だから、とことんやってみろ」とその技術の持つ可能性に大いに関心を示し、すぐさま名坂、坂本を中心に4名の研究員を配し、特許の出願及び商品としての完成度を高めていく体制を整えた。これがTAISETの第二の転機となり、商品開発は加速化する。名坂はデータの整備を坂本達に任せ、自分はかつての営業経験も生かして精力的に顧客に出向き、TAISETを試して頂きながら商品としての可能性を広げていった。その中から「油に対し、1〜2%のわずかな添加量でその固さを“コントロールできる”」ことで、写真のように、食品の保型性向上や油移行の抑制などの優れた効果が得られることが分かってきた。すなわち、
(1)液状の油では固体の脂を使用したような物性や食感が出せる
(2)固体の油ではにじみ防止などのより良い物性が出せる
ということである。
ちなみに、このようにまだ可能性が十分見えていない新技術の開発にこれだけの体制で取り組むのは、当社の陣容からすればかなり思い切った投資と言える。しかし、技術に対し好奇心を強く持ち、おもしろいものであれば即行動に移していくことは、当社の開発力を支える重要な原動力である。食品にも使える「油の固さを極少量でコントロールできる乳化剤」TAISETも、こうした当社の持つ“好奇心”から生まれた商品のひとつと言えるだろう。
■電子顕微鏡で見たTAISET
電子顕微鏡で見たTAISET

TAISETはグリセリン脂肪酸エステルを主成分とした乳化剤製剤。非常に均一な構造を持ち、そこに油を閉じ込めることで、ごくわずかな添加量でも油を固められるものと推察される。

■ホイップドクリームの保存テスト
ホイップドクリームの保存テスト
無添加       0.45%添加
■チョコレート(コーティング用)の
保型テスト
チョコレート(コーティング用)の保型テスト
無添加        0.4%添加
■ドーナッツの油移行
(台紙:キッチンペーパー)
ドーナッツの油移行(台紙:キッチンペーパー)
無添加        0.2%添加


5年目の春。TAISETはまさに“夜明け寸前”のテクノロジーか?
当社では、このような新素材の場合、市場のニーズと出会うまでは最低でも5年から10年はかかるという覚悟の下、粘り強く商品開発を続けている。TAISETもあの偶然の発見から5年を越え、幅を広げて提案を始めつつある中で、こちらが想像もしていなかったようなニーズにも出会えるなど、今まさに大きく可能性を広げつつある。
それはたとえば“食品の手作り感、おいしさの向上”というものであり、レトルト食品などで油が分離しないよう完全乳化させると、油のコク味がでない、何か物足りない味になってしまうところを、TAISETの油滴コントロール機能を活かす事で、手作りの調理したての分散状態を作り出すことが出来るというものである。
TAISETにより、「わずかな量で油の性質をコントロールできる」ことは、このように、これまでとは異なるアプローチで食品のいろいろな課題を解決していける可能性をまだまだ秘めているものと私たちは考えています。
■パスタソース(×40)
Photo 手作りトマトソース:
調整直後
Photo 乳化剤使用区
手作りと比べ、均一に乳化。調理感が出にくい
Photo TAISET添加
市販パスタソース:
ボイル後

手作り状態に近い油滴分散

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