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栄養素の摂取不足状況

 太陽化学は、食品産業に携わる者として、皆様が心身ともに健やかな生活を送れるよう、必要栄養素が適切に摂取できる環境作りも重要な使命のひとつと位置付けております。
実際に栄養素の摂取状況をデータで見ると、改めてその状況に驚かされるものも少なくありません。今回は特に重大と考える課題のポイントをまとめてみましたので、ぜひご参照下さい。

(1)国民栄養調査の結果
 ミネラルの調査項目のうち、カリウムとリンを除く5項目において下表のように摂取不足となっています。(一方、摂取過多の問題となる項目はゼロ)
特に算定の基準となる、日本食品標準成分表が改訂(5訂)されて以来、調理・季節要因による含有量の違いなどが、より実態に即して変更されたために以前の調査よりも不足傾向が一段と顕著に現れています。

■日本人のミネラル充足率 『国民栄養調査』(平成13年)より算出
(調査対象の平均栄養所要量=100)

栄養素摂取不足の影響
 上のグラフのように、5つのミネラルは20〜50歳の成人男女では十分に摂取できていません。それらの摂取が不足するとどんな影響があるのでしょうか。

【鉄】
鉄は酸素やエネルギーの運搬を行う細胞内ミネラルであるため、よく知られている貧血だけでなく、子供の脳への影響、冷え性や肩こり、動悸・息切れ・疲労・労働力低下・重篤な妊娠合併症の増加など幅広い影響があります。

【カルシウム】
よく知られているのが歯や骨などへの影響と、神経過敏になりイライラする、キレやすくなるといったものです。さらには高血圧症や動脈硬化、糖尿病の促進、出血したとき血が止まりにくくなる、心臓の筋肉の収縮異常により心筋梗塞の原因となるなどの影響もあります。

【銅】
心循環器系および骨組織系の成長障害、中枢神経系の構造・機能の発育障害、赤血球造血機能(貧血改善には鉄と共に銅も必要)への影響があります。

【亜鉛】
よく知られているものでは味覚障害がありますが、それ以外にも成長障害、皮疹精神障害(うつ障害)、免疫機能低下との関連があります。

【マグネシウム】
マグネシウムの欠乏は、循環器疾患(虚血性心疾患、不整脈、動脈硬化症、高血圧症)および高脂血症との関連が指摘されています。カルシウムとマグネシウムの摂取バランスにも注意を払う必要があります。

(2)日本とアメリカを比較すると
■日本とアメリカの食事摂取基準
日本とアメリカの食事摂取基準
 栄養所要量は、健康な人々が欠乏症を予防するためと正常な栄養状態を維持するために必要な栄養素の摂取量を示したものです。最近では、米国を中心として、より良い栄養状態を維持し、また健康増進する為の指標として、食事摂取基準(Dietary reference Intakes:DRIs)が策定されています。また適正摂取量(adequate Intake:AI)としてコリンの摂取も推奨されています。

なぜコリンが重視されるのか?
 コリンの摂取は、(1)子供の脳の発育、(2)痴呆の予防、(3)肝臓疾患の予防との関連が認められており、コリンは、“新しいビタミン”として注目され、摂取がさかんに奨励されています。
国民栄養調査から日本人のコリン摂取量を算出すると1日当たり192.3mgとなり、アメリカ基準では450〜550mg必要となるため、日本では260〜360mgが不足となります。

糖尿病も深刻な問題に
■アジアの糖尿病患者
アジアの糖尿病患者
参考:WHO。アジア以外はDiabets Atlas 2000
■糖尿病の発症率と肥満の関係
糖尿病の発症率と肥満の関係
 糖尿病は世界規模で患者が増加しており、世界的な重大案件になりつつあります。
当社も海外の学会報告等で認識を改めさせられましたが、日本もすでに710万人も患者がいるとされ、しかも黄色人種に特有の遺伝子異常があると非インスリン依存型糖尿病になりやすいことも報告されています。糖尿病は自覚症状がなく進行し、しかも最近では子供も増加し、治療にかかる社会的なコストも大きく非常に恐い病気です。
水溶性食物繊維には食後血糖値の急激な上昇を抑える作用があり、これら糖尿病の予防に大きく役立つ食品素材と考えられます。しかし国民栄養調査によると、1日の摂取量は大変不足していることが報告されています(10g程度不足)。
また肥満は糖尿病などをもたらす極めて危険なファクターとされており、食生活との関わりが深い病気であるだけに私たちが取り組むべき重大なテーマのひとつと言えます。

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