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「乳化剤講座」【第4回】乳化剤の機能と用途(1)界面活性能
●乳化剤の持つ様々な界面活性能
乳化剤は界面に作用するという特性を生かして、乳化目的以外にも多くの用途に使われます。それらをまとめると下記のようになります。
■乳化剤の用途と用途例
乳化剤の用途 用途例
乳化 水中油型(O/W型)乳化・・・乳飲料、アイスクリーム、クリーム類
油中水型(W/O型)乳化・・・マーガリン、バタークリーム
分散 チョコレート、ココア、ピーナッツバター
可溶化 香料
起泡 ケーキ、デザート類
消泡 豆腐、醗酵工業、ジャム、飲料
湿潤 粉末食品類、チューインガム
洗浄 食品工業用洗浄剤
1.乳化
 乳化剤のもっとも基本的な用途で、水と油が親和し、混ざり合った状態をつくりだします。通常、O/W型乳化には親水性乳化剤、W/O型乳化には親油性乳化剤が適していますが、食品はタンパク質、糖、塩類など様々なものが含まれているため実際には複数の乳化剤を組み合わせて使います。
■代表的な乳化食品の製造工程
■代表的な乳化食品の製造工程
乳化剤の添加量は微少であるため効果を発揮させるには、全体に均一分散させる必要があります。一般には、高HLBの親水性乳化剤は水系に、低HLBの親油性乳化剤は油系に添加すると良好に分散します。
2.分散
 不溶性の固体粒子が、水中または油中で沈殿等をおこさず均一に存在している状態が分散です。乳化は粒子が液体であるのに対し、分散は固体である点が異なります。乳化におけるO/W型、W/O型のように分散にも「水系分散」、「油系分散」があります。すなわち、ココア粉末を水に分散したものがココア飲料であり、砂糖と一緒に油脂(カカオ脂)に分散したものがチョコレートです。
■各分散系での乳化剤分子の状態
■各分散系での乳化剤分子の状態
どちらの分散系でも、乳化剤は固体表面に吸着して外相との親和性を良くし粒子を均一に存在させます。
3.可溶化
 可溶化とは、乳化剤が形成するミセル溶液中に油(または水)を透明に安定に溶かし込むことで、溶けない物質が溶けたかのような透明な状態を作り出すことをいいます。一般的な乳化では、分散している粒子が光の波長に比べて大きいため白濁して見えますが、この粒子が波長より小さくなると光を反射することがなくなるため溶液は透明に見えます。可溶化することで、例えば油性の香料を透明な飲料に加えることができます。
■各分散系での乳化剤分子の状態
4.起泡と消泡
 空気を抱き込ませ泡を作り出すことを起泡といいます。乳化剤は水の表面張力を低下させ、泡が立ちやすくするとともに、気液界面に吸着することで泡がすぐ消えることのないよう保護する働きをもっています。スポンジケーキ、ホイップクリーム、アイスクリーム等が起泡作用を利用した主な食品です。
■乳化剤分子による泡の保護
■乳化剤分子による泡の保護
 起泡とは逆に泡を壊すことが消泡で、発生した泡を消すことを破泡、泡が立ちにくくすることを抑泡と言います。製造ラインで発生した泡は充填効率を下げたり製品の不良化率を上げたりするなど大きな問題となりますが、低HLBの乳化剤は水に溶けにくく液面に浮きやすいため、それらの泡を消す働きをもっています。  
5.湿潤
 濡れにくい固体表面を水に濡れ易くするのが湿潤です。例えば粉末食品に乳化剤を使うことで濡れ易くなり、ダマにならずに水に分散または溶解させることができます。また、チューインガムに乳化剤を練りこむとガム表面に親水性の膜を形成し濡れ易くなり、歯(特に義歯)に付着するのを防ぎます。
■各分散系での乳化剤分子の状態
6.洗浄
 洗浄は石鹸や衣料用洗剤などに代表される最も身近な乳化剤の用途です。食品工業に使用される洗浄剤は食器や野菜など直接口に接触するものが多いため特に安全性が優先されます。また、最近では安全性や低刺激性などの特長から、食品用の洗浄成分が化粧品など他の分野でも使用されています。
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