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おいしさ科学館コラムVol.5 乳化と蛋白質
執筆:羽木 貴志(おいしさ科学館館長)
天然の乳化食材として、牛乳と卵黄をあげることができます。そのまま状態では、いずれも脂肪が簡単に分離するものではありません。調理・加工工程において、他の原料と混合し、加熱あるいは冷凍すると、突然脂肪が分離することがあります。脂肪が分離して固まった状態になりますと、おいしさからは程遠いものになってしまいます。
加工・保管中の脂肪の分離防止に、脂肪の分散を安定にする様々な加工がなされますが、変わるのは、脂肪の分散状態(混ざり方)だけではなく、蛋白質の乳化への関与も変わります。
牛乳や卵黄中の脂肪は、蛋白質との関わりが大きく、脂肪が蛋白に包まれたような状態であることが、簡単に分離しない原因の一つと考えられます。
 コラムVol.1:「乳化とおいしさ」で記載しましたように、脂肪がどのような状態で分散しているかは、安定性だけではなく、脂肪の濃厚感などのおいしさにも大きく影響します。
 おいしさ科学館ではIRイメージングを用いて、乳化食品中の蛋白質の分散状態を分析し、おいしさと安定性の関係を調べています。
 下図は、IRイメージングで捉えたミルクコーヒー中の蛋白質の乳化への関与の差です。蛋白質の乳化への関わりの比較より、乳化安定性の原因、脂肪の濃厚感や口あたりなどおいしさの原因を探ることに有効と考えております。
蛋白の乳化性が異なるミルクコーヒーの比較(IRイメージング)
牛乳型の乳化
(脂質と蛋白が同じ位置に存在)
非牛乳型の乳化
(脂質と蛋白が異なる位置に存在)
▼ 「おいしさ科学館コラム」 バックナンバーは、こちらまで。 
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