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酸化防止技術講座

第1回 食品のおいしさと酸化 ~そもそも酸化って?~

食品のおいしさが損なわれるのはなぜ?

コンビニやスーパーで日常的に購入している加工食品や飲料などを飲食時、いつもと少し味が違うな?と感じたことはありませんか。近年では加工、保存技術の向上により、24時間いつでも新鮮でおいしい食品を入手することは比較的容易となっています。しかしながら、実際には製造、流通、店頭での商品陳列時など、製品が消費者の手に届くまでに、食品の劣化を進行させる様々な要因が存在していることをご存知でしょうか。
その主な食品劣化要因として、製造中の加熱殺菌工程や販売店舗における加温販売などによる『熱劣化』、太陽光の差し込みや商品ショーケースの照明などによる『光劣化』、食品に含まれる酸素や長期保管などの影響による『経時劣化』といった食品劣化が挙げられます。食品の劣化により、本来の食品の美味しさが損なわれてしまうばかりか、悪臭・異味・着色の発生、機能性成分や栄養成分の減衰などが問題となる場合があり、廃棄ロスや消費者クレームに繋がる一因ともなっています。
このような食品の嗜好的品質や栄養価値の低下の大きな原因は、食品中に含まれる成分の『酸化』です。例えば、食品のフレーバー成分や色素成分の『酸化』は、香りや色調に明確な影響を及ぼし、特に「フレッシュな香り」や「繊細な風味」など新鮮さが特徴である食品においては、その「酸化」による変化は非常に感じやすくなります。


食品の酸化とは

そもそも、食品の劣化を進行させてしまう『酸化』とは、どの様な現象でしょうか。一般に、『酸化』とは「電子を失う反応」と定義されておりますが、電子の移動は目に見えず、イメージし難いかもしれません。しかしながら身近にも様々な『酸化』は存在しています。例えば、クギが錆びる、リンゴの断面が変色する、輪ゴムがボロボロになる、古いお米で粘りが低下する、プールの塩素で髪が脱色するなどといった現象も『酸化』が関与しています。いずれの例も、「劣化する」、「ダメージを受ける」といった悪い印象を持たれるでしょう。他にも紅茶は茶葉を酸化醗酵させたものであるなど、必ずしも『酸化』=『劣化』ではありませんが、食品は『酸化』によりその品質・風味を変質させ、多くの場合は好ましくない変化が起こります。
この『酸化』を引き起こしやすい条件として、先に述べた熱や光などが主な要因として挙げられ、通常は一度『酸化』した食品が元の新鮮な状態に戻ることはありません。すなわち、食品の美味しさ、新鮮さを守るためには、『酸化』を進行させないための『抗酸化』が必要となります。

さて、まずは第一回としてまずは『食品の酸化』についての基本をお話ししましたが、次回からはもう少し細かい成分にスポットを当てて酸化を見ていきましょう。


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