乳製品系デザートを店内照明・ショーケースの光から守ります。
酸化による風味劣化に、様々なアプローチ!
最近のデザートは、手作り感や本物感を出すために生クリームや生乳をふんだんに使用した商品が増え、パッケージも透明なものが多くなっています。透明なパッケージは、消費者が商品の中身を確認することで商品価値の確認や安心感を与えるのに加え、最近のトレンド「SNS映え」に対応したものでもあります。一方、販売店では商品を見やすくするため、清潔感を出すために販売棚を非常に明るくしています。
その結果、「リッチな乳成分の使用×透明なパッケージ×明るい照明」の条件から、乳脂肪の酸化による風味劣化を引き起こしやすく、商品価値を低下させてしまうケースが増えているのではないでしょうか。
このように、消費者の満足度を高めるために設計した商品は、なかなかおいしさが長持ちしないという課題がつきものでしょう。酸化が課題となるデザートは多種ありますが、太陽化学ではそのおいしさを維持するための様々な手法をご提案しています。
そもそも酸化防止の効果がある素材とは・・・
実は酸化防止効果のある素材はいろいろな種類があり、酸化の原因(光や熱など)や酸化してしまう成分(乳成分、油など)によって、どのような酸化防止素材が向いているのかが変わります。詳しくは、太陽化学の酸化防止講座をご覧ください。
今回の課題は「光」による「乳成分」の酸化が標的です。太陽化学では、酸化防止の知見を元にこの系に適した酸化防止製剤として「スーパーエマルジョンTSシリーズ」をご紹介しています。トコフェロールと緑茶抽出物のカテキンを一剤化することで、より高い効果を得られることがわかっています。
TSシリーズ効果検証例
生クリーム、プリン、アイスクリームでのデータをご紹介いたします。
生クリーム
生クリームに、TSシリーズまたはTSシリーズと同等量の抗酸化素材を添加し、保管後の状態を測定しました。トコフェロールと茶抽出物を単品で併用するよりも、これらを一剤化したTSシリーズの方が酸化劣化を抑制していることがわかります。TSシリーズ添加時の方が、残存トコフェロールが少ないことから、トコフェロールが効率的に抗酸化に働いていること、劣化臭のもととなるヘキサナールの発生が少ないことも示されています。
プリン
プリンなどのたまごの色を生かしたデザートは、ショーケースの光により美味しさが損なわれたり白っぽくなることがあります。TSシリーズを添加することにより、できたての美味しさやフレッシュ感を維持することが可能です。焼きプリンへの光照射テストにより、TSシリーズ(TSM)添加で脂の酸敗臭や卵の劣化臭・退色を抑制できることを確認しました。
それでも残る微妙な劣化臭が気になる場合・・・
太陽化学では、スーパーエマルジョンTSシリーズの他にも酸化の課題に対応した素材を取り扱っております。
緑茶から生まれた酸化防止剤 「サンカトール」(緑茶抽出物製剤)
水産加工品の退色防止・油やけ防止、フライ食品や動物油脂の酸化防止、色素の退色防止に効果を発揮します。緑茶抽出物特有の「消臭」の効果もあり、気になる劣化臭を抑制します。
クックファインシリーズ
酸化物価や酸価といった油脂の劣化指標となる数値の上昇抑制や、退色防止という課題はクリアできたけれども、「わずかに発生した劣化臭が気になるなど風味の劣化が抑えきれていない」ということはございませんか?そんな時におすすめの素材がクックファインです。油の劣化臭をマスキングし、風味劣化を抑制することで、素材の美味しさを保ちます。
クリームの劣化防止の事例
脂肪やその代用に使用される植物性脂肪の一部は、加熱せずとも保存時にエグ味と伴う苦味や油くささが強くなります。特にホイップクリームなどを泡立てて使用する場合には、冷蔵で数時間~数日で風味が劣化してくる場合が多くあります。『クックファインS』をホイップクリームに泡立て前に添加することで、保管中に発生する劣化香をマスキングし、泡立て直後の風味を維持します。
- クリームに対して 0.03%(0.01~0.05%)
ホイップクリームを冷蔵で3日間保管した際のにおいセンサ値の変化を解析した結果で、無添加では直後~3日まで、センサ値の増加が認められます。クックファインを添加することによって、保存期間に関係なく無添加直後の付近に位置しており、冷蔵保管時の劣化臭が抑えられていることを示していると考えられます。
酸化防止、風味劣化の抑制でお困りの際は、ぜひ太陽化学にご相談下さい。複数のアプローチで課題解決をお手伝い致します。