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化粧品・化成品を支える研究と技術 化粧品・化成品を支える研究と技術 化粧品・化成品を支える研究と技術

優しいだけでは満足できない!優しさにチカラをプラスした洗浄素材。

肌ケアへのニーズ

肌ケアへのニーズ

近年、化粧品・トイレタリーコーナーでは、「敏感肌用」「低刺激」というワードを多く目にするようになった。生活環境要因や生活習慣の乱れ、化学物質の影響、ストレス・・・により、肌トラブル(アトピー、敏感肌、乾燥肌、大人のニキビなど)を訴える方が増加しており、「肌ケア」に対する関心が高まっている。

消費者が化粧品、トイレタリー商品を選ぶ際のポイントとして、『低刺激であること』や『自分の肌に合うこと』は、常に上位に挙げられている。また、食品をはじめ様々な業界で消費者の安全安心志向が高まる中で、直接肌に触れる化粧品・トイレタリー商品についても、安全で安心なものを選びたいということから、より刺激が少なく、安全で安心な素材で体を洗いたいというニーズは、年々増加している。

優しいだけではダメ・・・

こういった流れを受け、某日用品メーカー研究員Tさんは、肌トラブルを抱える方向けの低刺激性のボディソープの開発に取り組んでいたが、低刺激の洗浄素材を使用すると、従来のボディソープに比べ泡立ちや洗浄力が物足りず、安全性と機能性の両立という壁にぶつかっていた。

洗浄成分となる界面活性剤には、アニオン、カチオン、両性、非イオンのものがあり、これらの中では一般的に非イオン界面活性剤の安全性が高いと言われている。食品添加物として使用できる食品用乳化剤のほとんどは非イオン界面活性剤だ。一方で、非イオン界面活性剤は乳化や可溶化用途には汎用されるが、起泡性など洗浄剤としての機能性は充分でないことから、洗浄用途には不向きであった。
Tさんは、低刺激であることを優先し、非イオン界面活性剤の中で検討をしていたが、やはり洗浄力の面で、なかなか満足のいくものは見つからなかった。

洗浄剤の機能性と安全性の両立を実現

そんな中、長年乳化剤の研究開発に取り組んでいる太陽化学より、非イオン界面活性剤でありながら、起泡、洗浄力に優れたポリグリセリン系の洗浄成分を開発したとの情報を得たTさん。さっそく、太陽化学の担当者より詳しく紹介してもらうことにした。

低刺激性洗浄成分:サンソフトM-12J

サンソフトM-12Jは、独自の合成方法により開発した、非イオン界面活性剤でありながら、起泡、洗浄力に優れたポリグリセリン系の洗浄成分です。洗浄剤の機能性と安全性の両立を実現しました。
サンソフトM-12Jを活用して洗浄剤の処方設計することで、洗浄剤としての機能性に優れ、安全性も高い洗浄剤を開発することができます。

●●サンソフトM-12Jの安全性・使用感●●
サンソフトM-12Jを主成分とする皮膚疾患患者向け全身洗浄料の安全性、使用感についての検証結果をご紹介いたします。
 (出典)非疼痛性(しみない)皮膚洗浄剤液の安全性の検討と使用試験
      [日本小児皮膚科学会雑誌 第23巻 第1号 2004年5月]

安全性試験(パッチテスト)結果

皮膚科を受診した患者17名(男性3名、女性14名)において、サンソフトM-12Jを使用した洗浄料の原液および蒸留水、生理食塩水による10%希釈液を48時間貼付し、須貝らの方法に準じて皮膚刺激指数を算出しました。
洗浄料の原液と10%蒸留水希釈の皮膚刺激指数は蒸留水と等しく、また、10%生理食塩水希釈の皮膚刺激指数は、生理食塩水そのものと同じでした。この結果から、サンソフトM-12Jを使用した洗浄料は皮膚刺激の極めて低い洗浄料であると考えられました。

表1 安全性試験(パッチテスト)結果

検体 濃度 皮膚刺激指数
試験品 原液 5.9
試験品 蒸留水で10%希釈品 5.9
試験品 原液生理食塩水で10%希釈品 2.9
蒸留水 原液 5.9
生理食塩水 原液 2.9

使用試験結果

皮膚科を受診した患者のうち、洗浄の際に「患部がしみる」と訴えた患者45名(男性17名、女性28名)に、病変部位の洗浄に使用した場合の自覚症状を回答いただいたところ、洗浄の際に「しみない」と答えた方は、97.4%で、非常にしみにくい洗浄料と考えられました。また、洗浄料としての使用感触では約95%、洗浄力では約90%の方が普通以上と答えており、洗浄料としての機能性も、実用上問題は無いと考えることができました。

使用試験結果
  • これらの臨床試験は、サンソフトM-12Jの効果を保証するものではありません。また、臨床試験実施にあたり、被験者には十分な説明を行い、同意を得た上で試験を実施しております。
 (出典)非疼痛性(しみない)皮膚洗浄剤液の安全性の検討と使用試験
      [日本小児皮膚科学会雑誌 第23巻 第1号 2004年5月]

低刺激で使用感も悪くないならばと、TさんはさっそくサンソフトM-12Jを試したところ、非常に好感触を得た。「これなら、肌を気にする消費者にも十分満足いただけるボディソープができそうだ。」と、商品の発売に向けて意気込んでいる。

ボディソープ以外にも

サンソフトM-12Jの低刺激で洗浄力に優れた特性は、赤ちゃん向けの洗浄料、アトピー性皮膚炎などの敏感肌の方向けの洗浄料だけでなく、清拭剤、台所洗剤などにもご活用いただけます。
本ページ下の(参考)にて、台所洗剤での使用試験結果を掲載しておりますので、ご参照下さい。

(参考)サンソフトM-12Jを主成分とした台所洗浄料の使用試験

手荒れは主婦湿疹とも呼ばれるように、毎日の家庭の水仕事の際に洗剤に触れることが大きな原因の一つです。特に食器洗いはその影響が大きいと考えられます。手荒れがひどいからといって毎日の家事を中止する訳にはいきませんので、手荒れを患っている方にとっては深刻な悩みと言えます。サンソフトM-12Jは、低刺激性であることに加え、天然保湿因子の一つであるアミノ酸溶出量が少ないという特徴があり、手荒れを起こし難いと考えられます。そこで、サンソフトM-12Jを主成分とした食品素材で構成された台所洗剤の臨床試験結果の一部をご紹介します。

試験概要

  • 評価方法:二重盲検並行群比較試験
  • 被験者:健常女性22名(28歳~65歳 平均46.3歳)
  • 試験期間:2006年10月14日~11月25日
  • 使用方法:4週間、毎日の食器洗浄に適量を使用
  • 試験品:サンソフトM-12Jを主成分とする台所洗剤および市販台所洗剤
  • 評価項目:角質水分量 経皮水分蒸散量 皮膚表面画像解析 自覚アンケート

試験結果

①経表皮水分蒸散量
皮膚バリア機能の指標となる経表皮水分蒸散量(水分蒸散量が低いほど良い)は、両手ともに群間での有意な差は認められませんでしたが、4週間後における増減率は試験品の方が低い結果(以下参照)でした。

経皮水分蒸散量の変化率

経皮水分蒸散量の変化率

②皮膚表面画像解析による「角質の傷み」
皮膚表面画像解析は、「角質の傷み」に関して、プラセボ群と比較して試験品では、手背部の両手ともに改善傾向にありました。使用前後での評点の結果を以下に、顕著に改善の見られた改善例の皮膚表面画像を写真1に示しました。

グラフ5 皮膚表面画像の5段階評価による「角質の傷み」改善度

皮膚表面画像の5段階評価による「角質の傷み」改善度

  • 5段階評価 1=顕著に悪化 2=悪化 3=変化なし 4=改善 5=顕著に改善
    *:P<0.05 プラセボ群に対する有意差(Wilcoxonの順位和検定)

写真1 皮膚表面画像解析 改善例

写真1 皮膚表面画像解析 改善例
  • これらの臨床試験は、サンソフトM-12Jの効果を保証するものではありません。また、臨床試験実施にあたり、被験者には十分な説明を行い、同意を得た上で試験を実施しております。

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