過敏性腸症候群(IBS)改善のために
過敏性腸症候群(IBS)とは

腸は“第二の脳”といわれ、脳との相関が高くストレスなどの影響を受けやすい臓器です。IBSとは精神的ストレスや不規則な生活によって、腸の働きをコントロールしている自律神経が不安定になり、腹痛を伴う便秘、下痢および便秘と下痢が交互に起こるもので、日本人の15~25%がIBSともいわれ、その数は年1~2%ずつ増加している※というデータもあります。
※〈出典〉Torii A et al.,Internal Medicine 43:353-359,2004

IBSの症状を引き起こさないための小麦フスマ、それよりもっと気楽に摂れる素材はないのか?

小麦ふすま30g とグアーガム分解物5g
ヨーロッパでは、IBSの患者に「小麦フスマ(小麦の外皮)」を1日30g摂取する食事が施されます。しかし、小麦フスマは食感が良くなく日本の食文化に馴染みの薄い食品であることもあり、日本人の食生活としてなかなか摂取が難しいものです。それに代わる素材として、何があるか?
そのひとつとして挙げられるのが、水溶性食物繊維であるグアーガム分解物です。グアーガム分解物を1日5g摂取した時、IBSの症状が改善した患者の割合が増加しました。

小麦フスマ摂取量:30g/日、グアーガム分解物摂取量:5g/日
対象者:IBS患者188名 *P<0.01
症状改善割合は投与開始後12週目にIntention-to-treat( ITT)分析を実施
〈出典〉Parisi GC, Health-related quality of life in patients with IBS treated with partially hydrolyzed guar gum (PHGG), 国際「こころと栄養」シンポジウム-生命との対話- (2005)
グアーガム分解物の特長
グアーガム分解物は、飲料や食品など幅広い食品に添加可能であり、無理なく摂取できるという利点もあります。
グアーガム分解物によるIBS患者の排便変化

IBSの方(188名)に対して、グアーガム分解物(5g/日)摂取。経時的に排便回数を調べたところ、グアーガム分解物の摂取により一日一回のペースに近づきました。
〈出典〉Parisi GC et al.,Dig. Dis. Sci. 47:1697-1704,2002
特定保健用食品(規格基準型)への応用
特定保健用食品(規格基準型)制度の関与成分としてグアーガム分解物は設定されました。グアーガム分解物を使用することで「お腹の調子を整える食品」としての表示が、現行トクホと比較して容易に許可されるようになりました。
※特定保健用食品(規格基準型)とはトクホ実績が十分である等、科学的根拠が蓄積されており、薬事・食品衛生審議会、食品安全委員会において個別審査をおこなわなくても許可されるシステムです。
まずはIBS症状改善への素材として、そしてその他の多様な機能をもつグアーガム分解物、ご興味をお持ち頂ければ幸いです。
(2018年5月)