食品の容器包装に必要なプラスチック、環境配慮観点の廃棄量削減

食品を安全で衛生的に、かつ色、形、香り、食感などの特長を損なわず消費者へ届けるため、プラスチックでできた容器包装は身近な存在です。
また、プラスチックの容器包装は、食品の鮮度や特長を維持するために様々な技術が使われているため、食品ロスを減らすことにも役立っています。

一方、プラスチック廃棄物の削減は、海洋プラスチックごみ問題などの環境汚染対策、石化資源の保護・有効利用、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出削減といった理由で推進されています。
日本は一人当たりの容器包装の廃棄量がアメリカに次いで多く、食品の容器包装は、一度しか使用されず廃棄物となる場合が多いことから、過剰包装の削減や容器包装リサイクルが対策として進められてきました。

当社では、食品のプラスチック包装容器の環境配慮対応の取組みや、食品の品質課題に対して、高機能抗酸化素材による食品の品質維持をご提案しています。

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プラスチックリサイクルの現状

一般社団法人 プラスチック循環利用協会によると、主に家庭から排出されるプラスチックごみを指す一般系廃棄物(387万トン(2023年))の分野別内訳では、包装・容器等/コンテナ類が全体の約3/4を占めています。

このうち、包装容器は「容器包装リサイクル法」に基づき、市町村が分別回収し、製造・利用事業者が費用を負担した上で、再生処理事業により再生樹脂原料等としてリサイクルされることが求められています。

環境保護や循環社会の視点から、使用済みプラスチックを廃棄するのではなく、再生資源化可能なものはリサイクルすることが重要です。

家庭から排出されるプラスチック廃棄物は、次の3つの方法でリサイクルされます。

マテリアルリサイクル

プラスチック廃棄物から同じ種類の製品を作る場合や、異なる製品の原料として使用する(例えば、ペットボトルから衣料繊維をつくる)方法のため、プラスチック原材料を輸入に頼る日本では、廃棄物を有効活用することができ、プラスチック原材料の安定確保に繋がります。
しかし、マテリアルリサイクルには分別や異物除去の手間が多くかかり、利用できる廃棄物が単一素材であることが必要です。

ケミカルリサイクル

プラスチック廃棄物を化学的に分解し、製品の原料として使用する方法です。プラスチック廃棄物を水素、メタノール、アンモニアなどの化学物質に分解して利用される場合が挙げられます。
ケミカルリサイクルは、新たに化学物質を製造する場合に比べてエネルギー資源の節約やCO2排出量の削減に役立ちますが、大規模な設備が必要でそのコストがかかることが課題とされています。

サーマルリカバリー

プラスチック廃棄物をごみ焼却炉で燃やして熱エネルギーとして発電や温水製造に利用する方法です。
ごみ焼却炉の燃料として利用することで、ごみ焼却の燃料を節約できる点と、そのまま埋め立てる場合に比べて廃棄物の容積が小さくなる利点があります。
しかし、プラスチック廃棄物を燃やしてしまうため、再資源化につながらないことから、政府のプラスチック資源循環戦略では、サーマルリカバリーを極力減らすことが求められています。

食品の容器包装のプラスチック廃棄物削減の取組み

プラスチック容器包装の廃棄物削減、リサイクルの推進には、次のような取り組みが進められています。

  • 容器包装の環境配慮設計の推進
  • 軽量化・薄肉化による使用量削減
  • 詰め替え容器の使用
  • 複合材の適正な使用の推進 異なる素材や付属品を分離しやすくする工夫

プラスチック容器包装の環境配慮設計の推進例として、単一素材で作られているモノマテリアルを使用することで、使用後の廃棄物回収、素材の分解処理が容易となり、リサイクルしやすくなることが挙げられます。
また、プラスチック容器包装を軽量化・薄肉化することは、廃棄物の量を減らすことに繋がります。
一方で、モノマテリアル化や、軽量化・薄肉化することで、これまでの容器包装で達成できていた食品の鮮度や特長の維持、賞味期限の保持が難しくなり、結果として、食品ロスが増える場合があるかもしれません。

当社では、食品のプラスチック包装容器の環境配慮対応の取組みや、食品の品質課題に対して、高機能抗酸化素材による食品の品質維持をご提案しています。是非、次のWebページリンクをご覧ください。また、お問合せをお待ちしています。

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