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健康を作る素材のチカラ

Vol.7 加齢黄斑変性とルテイン・ゼアキサンチン見たいものが見えにくくなるその前に。

1.10月10日は目の愛護デー。

10月10日は厚生労働省が主催(主唱)している「目の愛護デー」です。10・10の形を目と眉に見立てて設けられたそうですが、このころになると秋もいよいよ本番。季語でも「秋澄む」「水澄む」と表現されるように、空気が澄んで遠くまで見通せるようになりますので、日常生活の中で目の疲れに悩む現代人にとっては、爽やかな空気の中で目を休めてあげるのに最適な時期とも言えますね。

今年のキャッチフレーズは「たまにはウインクして見よう! ‐右目と左目、見え方同じ?‐」。昨年までは、子どもの弱視を早期発見することを啓蒙する内容でしたが、今年はポスターにも大人を起用し、失明原因を早期発見するために年に一度は眼科専門医を受診することを推奨しています。

失明の原因となる異常が眼に生じると、見え方に影響が出てきます。しかし、初期状態ではほとんど自覚症状がありません。また、進行が緩やかでその変化に気づきにくかったり、脳が見えていない部分を補うことで見えていないことに気づかなかったりするうちに症状が進行してしまい、気づいたときには深刻な状況になってしまっていることも少なくありません。片方ずつの目で見てみると、見えていない部分やゆがんで見える部分がないかをチェックすることができ、眼の疾病の早期発見につながります。


2.「加齢黄斑変性」って?

最近増えている眼疾患のひとつに、「加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration : AMD)」があります。先日、世界初のiPS細胞を利用した手術が成功した(2014年9月時点)というニュースがありましたが、その臨床研究対象となっているのがこの加齢黄斑変性です。

私たちの目は、光が瞳を通って網膜に当たることで光を感じます。「黄斑」とは網膜の中心部分にあり、さらにその中心部分は中心窩と呼ばれ、見ているところ(固視点)からの光が当たる部位です。ここに光の焦点が合うと、「モノがはっきり見える」状態となるのです。しかし、黄斑部に異常が生じると、見ようとしているモノ(中心窩に焦点を当てようとしているモノ)の信号がうまく伝わらなくなるため、視野の中心部分がぼやける・歪む・暗い・不鮮明になるといった症状が現れます。


加齢黄斑変性とは、加齢にともない網膜の下にある網膜色素上皮という細胞の層の部分に老廃物がたまり、黄斑部に直接または間接的に障害を起こす病気です。日本では、黄斑変性症は視覚障害者手帳の交付原因疾患の第4位であり、高齢者の失明原因のひとつにもなっています。最先端の臨床研究対象になるほど治療の難しい眼疾患なのです。

3.「加齢黄斑変性」に対するルテイン・ゼアキサンチンの効果

加齢黄斑変性は、欧米では成人の視力消失の主要因であり、より研究が進んでいます。米国国立眼研究所の支援によって多施設で共同で行われた加齢性眼疾患研究では、ルテインとゼアキサンチンが配合された処方の摂取群は、配合されていない処方摂取群より加齢黄斑変性の進行リスクを低減したという報告がされています。特に、普段の食事に由来するルテイン/ゼアキサンチンの摂取が少ない人ほど、ルテイン/ゼアキサンチン配合処方の摂取による効果が大きく、リスクがより低減することが示唆されたという結果になっています1)

ルテイン、ゼアキサンチンは、「黄斑色素」と呼ばれ、緑黄色野菜に含まれるカロテイノイドの一種で、ヒトの体内では目の網膜や黄斑部に局部的に存在しています。黄斑部のルテイン/ゼアキサンチン含量が少なくなると黄斑変性症のリスクが高まることが報告されており2)、加齢黄斑変性のリスク低減にはルテインの摂取が重要視されています。ルテイン/ゼアキサンチンの摂取量と加齢黄斑変性のリスクの関連性を示す研究報告もあります。3)

[研究内容]

1年以内に加齢黄斑変性と診断された356人と、コントロールとして加齢黄斑変性以外の眼疾患のある520人を対象に、ルテイン/ゼアキサンチンの摂取量が黄斑変性症の発症リスクに及ぼす影響を調べました。ルテイン/ゼアキサンチンの摂取量が最も少ない群の黄斑変性症の発症リスク(オッズ比)を1.0として他の群のリスクを数値化したところ、ルテイン/ゼアキサンチンの摂取量が多いほどリスクが低いことが確認されました。


出典:
1) JAMA. 2013; 309(19): 2005-2015
2) J Optometry. 2004;75(4): 216-230.
3) JAMA. 1994; 272: 1413-1420

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