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乳化剤講座

【第5回】乳化剤の使用方法

乳化剤の持つ様々な改質機能

乳化剤は界面活性能のほかに食品の構成要素である、デンプン、油脂、タンパク質などに作用し改質する機能があります。それらをまとめると下記のようになります。

■乳化剤の機能と用途例
乳化剤の機能と用途例

1.デンプン複合体形成能

焼きたてのパンや炊き立てのご飯は美味しいですが、冷めると不味いというにはデンプンの老化が影響しています。生デンプンは結晶構造を持ち、βデンプンと呼ばれますが、加熱膨潤すると結晶構造が崩れてαデンプンに戻ります。乳化剤はデンプンを構成するアミロースやアミロペクチンと複合体を作り、再結晶化(老化)を防止します。

乳化剤と老化防止効果モデル

2.油脂改質能

乳化剤は固体の油脂に作用して、結晶の成長を促進したり、逆に阻害したりすることができます。例えば、カカオ脂に添加すると小さな結晶のままで成長を抑制するため、チョコレートに使用した際の艶や口当たりが良くなります。また、液体の油脂に添加すると微量ワックスや固体脂など“くもり”の原因が析出することを抑え、透明性を上げる効果があります。
カカオ脂の結晶調整効果

結晶調整以外にも、伸展性の向上(パンやパイ生地など)や空気や水を抱くクリ-ミング性(マーガリン、ショートニングなど)、加熱した時の飛び跳ね防止(アンチスパッタリング)など様々な改質効果をもっています。
 

3.タンパク質の改善

乳化剤は小麦、乳、卵などの各種タンパク質と複合体をつくり食品の品質を改良することができます。小麦粉製品ではパン生地に添加することで生地中のグルテンと結合して機械耐性や伸展性を、麺類においては食感を改良します。乳飲料などでは乳タンパクと結合して乳化安定性を向上させます。

小麦粉に対する乳化剤の効果

4.抗菌作用

抗菌作用イメージ弁当や惣菜など保存性の低い食品においては腐敗、変敗が大きな問題であり、これらの日持ち向上のため乳化剤は使用されます。中鎖脂肪酸といわれるC8~C12脂肪酸のモノグリセリドは菌の細胞表面に付着して細胞膜の正常な作用を妨害し、さらに細胞内に浸透することで代謝酵素の活性を阻害するなどにより菌の成長を阻止します。また、缶コーヒーなどの缶飲料にはレトルト殺菌では死滅しない耐熱芽胞菌の発育阻止効果を持つ乳化剤が使用されています。

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