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おいしさを支える研究と技術 おいしさを支える研究と技術 おいしさを支える研究と技術

卵で変わる新しい風味の世界

太陽化学のクックファインシリーズはタンパク加水分解物であり、風味改善効果を有した天然物由来の食品素材です。全卵のタンパク酵素分解ペプチドであるクックファインFは、卵感の味の持続に寄与すると同様に、卵の味が出ない添加量においてアミノ酸、酢など基本味調味料ではないにも関わらず、旨味や辛味を持続させる複雑味の調味料的な効果を発揮します。

クックファインシリーズの調味効果

  1. 旨味・酸味を増強
    • ラーメンスープなどの雑味やエグ味を緩和し、旨味や酸味を引き立てます。
    • ジュレ状・ゲル状の調味料の香り立ちを向上させ、旨味や酸味を引き立てます。
    • 減塩食品の物足りなさを旨味で補い、塩化カリウム由来のエグ味を緩和します。
  2. スパイス感・辛味の持続
    • カレーやキムチのスパイス感・辛味の持続性を高めます。
    • レトルト殺菌や冷凍保存時のスパイス感の低減を緩和します。
  3. フライ油臭の低減
    • フライ麺や揚げ物のフライ臭を緩和し、スープの味や素材の味を引き立てます。
    • 保存中に発生する油の酸化臭を緩和し、できたて感を引き立てます。
  4. 卵感の持続(クックファインF)
    • 卵黄の「卵のコク」、「卵の甘い香り」、「卵の香ばしい香り」の持続性が増します。

機器分析でも表れるクックファインシリーズのチカラ

ひきたつ味とマスクされる味

3種のラーメンスープにクックファインFを添加した際の変化を味覚センサーで解析した結果です。
矢印の長さが味の変化の大きさを表しており、辛味の強いキムチ、しょうゆ味の変化が大きいことが示唆されます。
それぞれのセンサー値から推測すると、クックファインFは雑味やエグ味をマスクし、旨味・辛味の後引きを強くする調味効果を有すると考えられます。
これらの結果は官能評価とも一致する内容であり、機械においてもヒトにおいてもクックファインFの効果が認められました。

においセンサー分析結果(ノンフライ麺との類似性解析結果)

においセンサー分析結果(ノンフライ麺との類似性解析結果)

においセンサーでフライ臭について分析した結果も、同じく機械と官能評価が一致しました。一か月間保存した試作品のフライ麺(無添加、クックファインF添加の二種類)と、市販のフライ麺、ノンフライ麺の香りとの類似性を解析したところ、クックファインFを添加することで試作品がノンフライ麺に近づき、保存時に発生するフライ由来の悪いにおいがクックファインFにより低減されたことが示唆されました。

クックファインシリーズの利用例

「和食での減塩による物足りなさの補強」

洋食や中華料理などはベースの味が濃いため、塩を減らしてもカバーしやすいと言われています。一方和食は味付けがシンプルであるがゆえに、減塩してしまうと味の物足りなさを感じやすく、しかも塩味増強剤として塩化カリウムを添加するとエグ味も出やすい、という特徴があります。クックファインシリーズを添加することで塩化カリウム等のエグ味をマスキングし、かつペプチドの旨味で風味を補強することが可能です。

ぶりの照り焼きでの利用例

減塩するために減らした醤油の風味を補うためにクックファインFとクックファインS(大豆のタンパク酵素分解ペプチド)を併用し、自然な味のまま風味を増強しました。

ぶりの照り焼きでの利用例

原料 (g)
ぶり 一切れ
サラダ油 6.0
調味液
原料 (g)
みりん 27.0
料理酒 22.5
醤油 18.9
砂糖 4.0
クックファインF 0.05
クックファインS 0.05
20

<調理手順>

  1. ぶりに小麦粉をまぶし、焼成する。
  2. 予め混合した調味料をかけながら、さらに焼成する。

「フライ食品での油っぽさ低減」

フライ食品は揚げたての状態であれば、その香ばしい風味は大変好ましいものですが、冷めたり温め直したり、調理後の経過時間と共に油くどさが強まってしまいます。これはフライ麺も同様で、保存期間中に油臭さが強くなり食味が低下する傾向にあります。
クックファインFの有する油っぽさの低減効果は、麺の生地やフライ衣に添加しても有効です。

フライ麺の生地に添加することで・・・

  1. 油っぽさが低減し、生麺のような風味、食感に近づきます
  2. フライ油臭が低減され、スープの味が引き立ちます

天ぷら、かき揚げでの衣に添加することで・・・

  1. 油くどさを低減し、さっぱりとした食感になります
  2. フライ油臭が低減され、中種の野菜の甘味が引き立ちます
海鮮かき揚げでの利用例

玉ねぎの甘味と衣のさっぱり感を、クックファインFを使用して強化しました。

海鮮かき揚げでの利用例

中種
原料 (g)
玉ねぎ 200
人参 40
京葱 50
しめじ 40
エビ 60
貝柱 60
小麦粉 30
原料 (g)
200
小麦粉 100
クックファインF 0.3

<調理手順>

  1. 玉ねぎ、人参、京葱を2mm幅に切り、エビ、貝柱はサイコロ状に切る。
  2. 1としめじを混ぜ合わせ、小麦粉30gを全体にまぶす。
  3. 小麦粉、水、クックファインFでバッターを作り、1)、2)の中種と合わせ、170℃で3分間油調する。

「カスタードの卵感の持続性強化」

卵感(卵の風味)は使う料理によってその風味の表現も様々ですが、卵の呈味として重要な要素は共通しています。「卵のコク」、「卵の甘い香り」、「卵の香ばしい香り」という言葉に表現されるように、いずれも卵感に厚みを与えるもので、ボトムに残る呈味と考えられます。 卵黄を原料とした卵の呈味素材とクックファインFを併用することで、卵感の持続性を増強し、ボトムに残る卵感が強調されます。

フレンチトーストでの利用例

調理で生まれる独特の卵風味である甘く香ばしい香りの持続性を、「たまごゆ」とクックファインFの併用で強化しました。

フレンチトーストでの利用例

原料 (g)
サンヨーク 100
牛乳 250
たまごゆ 1.8
クックファインF 1.1

※バケット(厚さ2cm)6切れ

<調理手順>

  1. 全ての材料を混合し、裏ごしする。
  2. 2cm厚のバゲットを6枚、一晩浸漬する。
  3. 溶かした無塩バターで表面を軽く焼き、200℃で10分間焼成する。

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