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おいしさの研究と技術

職人の技に学ぶ「熟成感」の演出法!

“熟成”ブーム

“熟成肉”“ウイスキー”などの人気が高まり、“熟成”を謳う食品が増えている。また、私たちが日常的に食する味噌や醤油の他、ワインやウイスキーなどの酒類、漬物、チーズなど、“熟成”は身近なものと昔から結びついており、広く一般的に良いイメージをもたれている。“熟成”という言葉だけで、何となくおいしそうな気がしてしまう。

寝かせることで生まれるおいしさ

卵素材を担当することとなった太陽化学の新米研究員は、人気の“熟成感”をキーワードに研究に取り組んでいた。
そんな中、お土産にいただいた“カステラまんじゅう”を何気なく口にした新米研究員は、そのなめらかでしっとりとした生地のおいしさに驚いた。どのように作られているのだろう?と、菓子作りにおいても素人同然の新米研究員は、“カステラまんじゅう”の作り方を調べてみた。すると、卵、砂糖、ハチミツ、小麦粉などの材料を練り合わせた生地を一晩寝かせてから、餡を包んで焼くという製法があることがわかった。配合や寝かせ時間は職人の経験、試行錯誤により、お店独自の製法が受け継がれているようだ。
生地を寝かせてから使うことでよりおいしい生地ができる、砂糖が生地によくなじみ焼き上がった皮がなめらかになる、ふんわり感やしっとり感を出すために生地を寝かせてから使うといった記述もあり、また、生地を寝かせることを“熟成”と表しているものもあった。
新米研究員はこれだ!と思った。
生地を寝かせることで生み出されるこのなめらかさとしっとり感は、“熟成感”をもたらしてくれる。この生地を寝かせる工程をヒントに考えてみることにした。

ポイントは分散状態?

砂糖には吸湿性がある。生地を寝かせることで生地中の水分・糖分がなじんで均一になり、生地全体がしっとりとした食感になるのではと考えた。そこで新米研究員はまず、卵と砂糖の分散に絞って考えてみた。卵と砂糖がしっかり混ざっていることが重要であるならば、自社素材の「エグノール」「サンヨーク」を使ってはどうだろうか。いずれも卵に砂糖をしっかりと溶解させ安定的に分散させた製品だ。


実際、卵に高濃度の砂糖を混ぜる時、砂糖が卵の中の水分を吸収し状態が変化していくため、キレイに溶解させ、安定的に分散させるには、時間・手間がかかる。しっかり混ざっていないとムラができてしまう。また、混ぜた後の保存時間によっても状態が変わっていくように思われたため、加糖全卵溶液で卵黄たんぱく質の分散状態を確認してみた。すると、溶解してから寝かせる時間をとることで、熟成過程に例えられるような分散状態に変化することが確認された。
一方、「エグノール」「サンヨーク」中の卵黄たんぱく質は、加糖全卵溶液を24時間寝かせた状態と同様の分散状態であることが確認された。


「エグノール」「サンヨーク」を用いることで、卵と砂糖をしっかり混ぜ込むという手間が省ける。また、寝かせなくても一晩寝かせた分散状態に相当することから、「エグノール」「サンヨーク」の使用で“熟成感”を演出できるのでないかと期待が高まった。

スポンジケーキ・プリンで検証!熟成感のあるおいしさが生まれるか?

卵と砂糖の均一で安定的な分散が焼き上がり後の生地の食感に影響するならば、カステラまんじゅう以外にも応用できるのでは?と考えた新米研究員は、スポンジケーキ、カスタードプリンで検証を行った。


スポンジケーキでは、しっとり感やなめらかさが増し、カステラまんじゅうでの生地の寝かせ(熟成)による効果と同様の効果が見られ、プリンでは風味に厚みが出るといった“熟成感”のイメージにつながるような効果が見られた。
「エグノール」「サンヨーク」の卵黄たんぱく質の安定した高い分散性が、“熟成感”をもたらしてくれたと考えられる。

さらに追求!

イメージとして“熟成感”につながる“コク”については、たんぱく質や脂質の粒子の大きさが関係すると言われている。“香り”もまた“コク”“熟成感”に関係する要素である。
「エグノール」「サンヨーク」を使用することで、粒子径、香りにも変化があるのではと考えられ、「エグノール」「サンヨーク」の“熟成感”への効果について、新米研究員は更なる研究意欲を燃やしている。

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