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化粧品・化成品を支える研究と技術 化粧品・化成品を支える研究と技術 化粧品・化成品を支える研究と技術

あんず油を活かしたダメージ軽減シャンプーを実現。
植物由来原料配合と高機能の両立をご提案

2017年5月31日(水)~6月2日(金)、パシフィコ横浜にて開催された『CITE Japan 2017』(化粧品産業技術展)に出展致しました。
今回は太陽化学の界面活性剤「サンソフト」の乳化・可溶化・洗浄・抗菌等の優れた機能や、うるおい・やわらかさといった化粧品に求められる心地よさ、様々な剤型に対応した「さっぱり落ちてしっとりうるおう」クレンジング技術、エマルションの合一や経時的粘度変化を抑制!様々な油を乳化できる「サンソフトα-C」、ヘアケア向け新原料「アプリコット核油ポリグリセリンエステルズ(サンソフトAPF-C)」のご提案を行いました。

中でもご好評頂いた、ヘアケア向け新商品「サンソフトAPF-C」についてご紹介致します。

あんず油を活かしたダメージ軽減シャンプーを実現。植物由来原料配合と高機能の両立をご提案

ご好評頂いたパネル

あんず油を活かしたダメージ軽減シャンプーを実現。植物由来原料配合と高機能の両立をご提案

自然派化粧品の人気から広がる植物油の利用

近年、自然派化粧品の市場は大きく伸長しており、ヨーロッパを中心に日本国内でも天然系原料の使用を訴求した商品は増加しています。アルガンオイル、椿油、ホホバオイル・・・ヘアケア製品で用いられる油性成分は様々ですが、自然派化粧品をイメージさせる植物油は、ナチュラル志向の影響だけでなく、毛髪コーティングによる櫛通の向上や毛髪になめらかさやツヤを与える目的で、特にヘアコンディショナーやヘアクリーム、ヘアオイル等に好まれて使用されており、認知度も高い素材となっています。

植物油をシャンプーに配合すると、どうなる?

最近では、シャンプー剤型でも植物油を使用した毛髪ケアに注目が集まっており、更に低刺激洗浄成分を使用した地肌ケアも併せて訴求している製品が増えているように感じます。一方、植物油をシャンプーに配合するうえで、実効性のある高い濃度まで添加する場合、「洗浄処方の起泡力や粘度の低下」、「安定性・透明性低下」等の課題が生じます。

植物油を活用した化粧品原料で、新たなシャンプーの形をご提案

植物油を活用した化粧品原料で、新たなシャンプーの形をご提案

そこで、弊社は従来からオイルトリートメント剤として実績の高い「アンズ核油」に着目し、アンズ核油の特徴をそのままに親水性を付与し、これら課題を解決できる新規ポリグリセリン誘導体「サンソフトAPF-C」を開発致しました。アンズ核油はオレイン酸やリノール酸が多く含まれており、毛髪への馴染みが良く、保湿感とさらっとした感触を付与する油です。ポリグリセリンは幅広い分子設計によって親水性のコントロールが容易であり、ヤシ、パーム由来の素材で保湿効果や高い安全性を備えています。
その機能を実験データとともにご紹介致します。

機能1 植物油を配合時の課題を解決!

ラウレス硫酸Naベースの洗浄処方に、アンズ核油、サンソフトAPF-C をそれぞれ添加し、評価致しました。

機能1 植物油を配合時の課題を解決!

これらの結果から、サンソフトAPF-Cは、アンズ核油配合によって低下する、洗浄処方の「起泡力」や「粘度低下」、「透明性・安定性低下」の課題解決が可能である事がわかりました。

機能2 シャンプー後の毛髪の感触を改良

サンソフトAPF-Cを配合した際の毛髪ケア効果について、官能評価にて確認致しました。
各処方のシャンプーを使用した後、日常使いのコンディショナーを使用し、「APF-配合なし」を基準とした時の「APF-C配合あり」の評価結果をグラフに示しました。

機能2 シャンプー後の毛髪の感触を改良

これらの結果から、サンソフトAPF-Cの配合により、洗髪すすぎ時の指通り、乾燥後の、やわらかさ、さらさら感を付与する効果を確認致しました。また、サンソフトM-12JとサンソフトAPF-C併用時の効果について、特に女性群において高い効果がある事を、官能評価にて確認しております。

機能3 洗髪で蓄積する髪へのダメージを軽減

毛髪がダメージを受けるとキューティクルの損傷によって毛髪表面は親水性になります。粉体の濡れ性を測定する手法を応用し、毛束の状態でかつ正確に水の浸透性を評価することで、洗髪ダメージの評価を試みました。この手法は当社独自の手法であり、個体差が大きい髪1本での従来の濡れ性評価に比べて、「毛束」で測定できることから実際の髪全体の状態を把握しやすいという利点があります。

サンプルは、ブリーチ毛を用い、洗髪(シャンプー、コンディショナー、ドライヤー乾燥、ブラッシングを1サイクルとして、合計30サイクルの洗髪処理を行った毛束を試験用毛束とし、評価致しました。
粉体濡れ測定用のカラム(直径1cm、長さ10cm)に試験用毛束を、毛先がカラム長より1cm長くなるように挿入した後、表面が平らになるように外科手術用のハサミを用いて切り揃えます。毛髪を詰めたカラムを表面張力計にセットし、シャーレに入れたイオン交換水の表面に接触させ、0.1秒間隔で経時的に上昇する水分浸透量をプロットしました。コントロールとして洗髪前の毛束の経時的な水の浸透量を予め測定しておき、洗髪処理後との浸透重量の差を比較することで洗髪におけるダメージを評価致しました。

機能3 洗髪で蓄積する髪へのダメージを軽減

測定機器 : 表面張力計(協和界面科学社製DY-700)、粉体接触触角測定モード

サンソフトAPF-C を添加すると、連続洗髪でも髪の疎水性を維持していることから、ダメージを受けていないことが分かります。またその効果は、サンソフトM-12Jとの併用により高い効果が得られることが確認できました。

サンソフトAPF-Cで広がる新たな可能性

サンソフトAPF-Cは高い毛髪ケア効果が期待できます。また、洗浄力と起泡力が高い低刺激洗浄成分 サンソフトM-12Jとの併用により、更に高い効果が得られた事は「頭皮ケアと毛髪ケアの両立」の観点からも大変興味深く、毛髪洗浄剤用素材として、また、自然派志向の高い製品や毛髪ケアを求める製剤等へ有用な化粧品素材になると考えています。更に詳細な技術情報のご案内も可能ですので、ご興味頂ましたら是非ご連絡くださいませ。

(2017年6月)

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