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「腸の健康」を保つための新しい食生活!『低FODMAP』な食生活とは?

腸の健康を考える新しい概念、「FODMAP」はご存知ですか?

現在日本で女性を中心に大変注目されている『腸活』、腸内フローラを改善するための生活や食事法が雑誌で特集され、SNSなどでも盛り上がりを見せています。この盛り上がり、日本だけなのか?というとそういう訳でもなく、健康意識先進国のアメリカでは、ここ2,3年で乳酸菌などのサプリメントが大変人気であり、その流行に日本も追いついてきたといった感じでしょうか。
ここで、海外のSNSをチェックしてみると、”healtygut”日本でいう腸活を連想するタグと並んで見られるのが”FODMAP”(フォドマップ)です。いろいろな食品の写真とともにアップされたSNSの投稿からFODMAPは食品に関する概念であることはわかりますが、果たして?

腸の健康を考える新しい概念、「FODMAP」はご存知ですか?

IBSとその治療

FODMAPですが、IBSの治療のための食事療法に関連する概念です。IBSは、日本語では過敏性腸症候群といい、日本では10人に1人がこの疾患と持つといわれています(1)。症状は、便秘や下痢、腸内でのガス発生によるお腹の張り、腹痛などですが、これらの症状が発生するメカニズムについて幾つかの要因は挙げられているものの、はっきりとした原因はわかっていません。診断基準はありますが、他の病気の症状と似ていることや、はっきりとした治療法がないこともあり、病院で診断を受けていない患者もたくさんいると考えられています。海外でも同じように患者がおり、FODMAP食によるIBS症状の改善を世界で始めて提唱し、研究も行っているMonarsh大学によると、7人に1人がIBSと言われています(2)

IBSとその治療

IBSに対する食事療法の考え方

たくさんのIBS患者がいながらもその症状や原因が人それぞれだと考えられる中で、注目されている食事療法が”Low-FODMAP”という食事療法です。IBSの症状を引き起こす原因の食品成分を“FODMAP”とし、そのFODMAPに含まれる食品成分を摂取しないような食生活を実施します。”High-FODMAP”を避け、”Low-FODMAP”な食生活をすることによりIBSの症状が改善されることが、オーストラリアのMonarsh大学を中心に、実際に患者と健常者が参加する試験で証明され、論文にもなっています(3)

それでは、IBSの原因となりうる「FODMAP」とは何を意味するのでしょうか

FODMAPを構成するアルファベットはそれぞれ

  • F(Fermentable):発酵性
  • O(Oligosaccharides):オリゴ糖
  • D(Disaccharides):二糖類
  • M (Monosaccharudes):単糖類
  • P (Polyols):ポリオール(多価アルコール、糖アルコール)

を意味します。

具体的には、ラクトース、フルクトース、フルクタン、ポリオール、ガラクタンなどが該当します。お気づきですか?これ、全て食物繊維・オリゴ糖・糖質です。これらには、「発酵性が高い」とか、「低分子」とか「腸内細菌で急速に発酵する」など、幾つかの共通点があります。IBSの患者には「食物繊維を摂取するように」と指導する場合もあるようですが、FODMAPの理論からすると、発酵性が高い低分子の食物繊維は逆にIBSの症状を引き起こしかねない、ということになります。また、「腸活」意識で食物繊維摂取に積極的な方もたくさんいらっしゃいますが、実は自分のお腹に合わせた食物繊維の選択をしないといけなさそうですよね。

IBSに対する食事療法の考え方

例えば、パンは高FODMAP、ご飯は低FODMAPと言われています。

低フォドマップ食に対応した食品の見分け方

Low-FODMAPを意識した食生活をする場合、上記のように、IBSを引き起こす要因となりうるHigh-FODMAPの食品をできるだけ摂取しないようにする必要があります。自身のIBSと上手く付き合おうと考える方は、High-FODMAPの食品とLow-FODMAPの食品を判別しなければなりませんが、上記の成分を避けることは加工食品が溢れるいまの世の中ではなかなか困難です加工食品の裏面を見ると、多くの成分が表記されており、ある程度の知識がないと該当成分が入っているかどうかは直ぐにはわかりません。
そこで、Monarsh大学などは低フォドマップの食品について認証を与える制度をはじめています。低フォドマップの認証マークが付いている食品であれば、いちいち成分を確かめたりする手間もなく、安心して低フォドマップ食を選べることから、海外では徐々に広がりつつあるようです。

低フォドマップ食に対応した食品の見分け方

例えば、食物繊維素材として、初めてMonarsh大学の低フォドマップ認定を受けたのが「グアーガム分解物」です。Monarsh大学が、発酵性の低分子糖質が少量しか含まれていないことを確認し、昨年認定を行いました。アメリカやオーストラリアでは、一定基準を満たせば商品に右のロゴをつけることが可能となっていて、低フォドマップ食物繊維の認知が広がっています。
腸内細菌のバランスを整え、腸の働きを良くする為には、「発酵性」だけでなく、「穏やかに発酵し、急激な変化をしない」ことも重要かもしれませんね。海外で注目を集めつつある低フォドマップ、健康な腸を意識する商品づくりのコンセプトのいち要素として、考えてみてはいかがでしょうか?

(2018年5月)

(1)日本消化器病学会ガイドラインホームページ
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs.html

(2)Monarsh大学ホームページより
https://www.monashfodmap.com/

(3)Halmos EP,et al.,A diet low in FODMAPs reduces symptoms of irritable bowel syndrome.,Gastroenterology. 2014 Jan;146(1):67-75
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24076059

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