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フードロス削減へ!今、私たちにできること

誌面やニュースを賑わすようになった、“フードロス”という概念。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において掲げられた「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲットにも盛り込まれるなど、関心が日に日に強まってきています。
日本では、平成28年度には643万トンもの食品廃棄物が発生したとの推計が出されており、食用仕向量が8,088万トンであることを考えれば、非常に多くの食品廃棄が発生しているということが数字からも読み取れます(農林水産省 食品廃棄物等の発生量(平成28年度推計)より)。
規格外品、売れ残り、食べ残し、過剰な除去…これからの世界のために、今の技術で改善できることはないのでしょうか。少しでもフードロスを減らすために、今私たちにできることを、考えてみました。

ベーシックな手段、酸化防止

フードロスには、賞味期限切れによる廃棄も含まれます。賞味期限は菌のほか、呈味や栄養成分、見た目の課題など様々な要素を配慮した結果として設定されています。
食品中の成分の酸化は、食品の風味を損なう上に、色味の変化や機能性成分・栄養成分などの減衰も引き起こすため、賞味期限の短縮につながってしまう困った現象です。酸化は熱や光などが加速要因となる一般的な化学反応であり、一度酸化してしまうと元の新鮮な状態には戻れない不可逆反応でもあります。そのため、予め酸化しないよう、予防しておく必要があります。
多くの食品ではすでに、光や熱、酸素の遮断や酸化促進物質の除去などで可能な限り酸化対策をした上で、さらに酸化防止剤を併用することで、酸化を抑制しようと試みています。包材も含め、こうした手段には様々な製品が展開されており、用いる食品に適したものを選定することが重要です。

スーパーエマルジョンTSシリーズは、抗酸化素材の活性を最大限に引き出す製剤設計により、高い酸化防止効果を得られる抗酸化剤製剤です。太陽化学が創業以来培ってきた界面制御技術を活用することで、以下のような効果が得られます。

  • 乳化製剤化することで、水溶性・脂溶性問わず素材を各種飲食品に適用可能
  • 乳化粒子を微細化することで粒子の数と表面積を増やし、より大きな効果をもたらす
  • 特徴の異なる複数の抗酸化素材を一剤化することで、相乗効果を発揮

脂溶性の抗酸化素材も水に透明分散させられるこの技術があることで、水系に対しても抗酸化素材の組み合わせの幅を広げ、用途に応じた“ベストブレンド”に近い抗酸化剤製剤をご提案することが可能になっています。

太陽化学の酸化防止講座はこちら

物性の面からも、ロスを抑える方法はあります

酸化とは違う、もう少し物理的な側面から見てみましょう。例えば、コールスローのようなサラダでは、何がフードロスにつながるでしょうか?
作りたてはシャキシャキで、しっかりとドレッシングもからまり味も整えられた、おいしいサラダ。しかしそれも時間の経過とともに変化していきます。食感はくたくた、ドレッシングも野菜を離れ容器底に溜まり、味も物足りない……。どう考えても、食欲をそそりませんよね。
この変化は、野菜のカット面から徐々に野菜に含まれる水分が溶出してしまうこと、そしてドレッシングが野菜表面に留まり続けられず、だれてしまうことにより発生すると考えられます。
ネオソフトMY-407は、野菜に振りかけて混ぜるだけで作りたてのような物性を保ちやすくする、増粘多糖類製剤です。野菜表面の水分に溶解して膜のような効果を発揮し、野菜からの水分の溶出を防ぎ、かつ閉じ込めることができます。さらに、ドレッシングにも混ざって粘性を持たせるため、液だれしにくく、製造時に整えられた味を保ちやすいようにもなります。
増粘多糖類と聞くと、食感がねちゃつくのでは?と懸念される人もいるかもしれません。ですがこの製品は、太陽化学の安定剤に対する知見を応用することで、食感を損なわない程度の添加量で、しっかりとした効果を発現するように設計されています。

菌の問題などではなく、離水による品質低下が賞味期限の決め手になっている場合には、ネオソフトMYシリーズを試す価値ありと言えるでしょう。

ナチュラルな素材で、おいしさを保つには

添加物が気になる自然派の方には、ナチュラル素材であるたまごを活用したフードロス対策がおすすめです。例えば、マドレーヌなどに代表される製菓製パンの老化防止には、ヨークレートLシリーズが有効です。こちらを配合することで、洋菓子特有の作り立てのしっとり感やふわふわ感、といったように表現される好ましい食感を維持し、より長期間おいしく保つことができるようになります。

「酵素」「リゾ化卵黄」

ヨークレートLシリーズは、卵黄中のレシチンを酵素処理して乳化力を向上させた鶏卵加工品です。澱粉との複合体形成能が向上しているため、澱粉からの水の遊離を抑え抱き込んだままに保ち、老化を抑制することが可能です。
同じ老化防止素材と言えど、澱粉を短く切ることで老化を防止する酵素とは機構が異なるため、ヨークレートLシリーズと酵素を併用すれば、更なる老化防止効果が見込めます。

ソリューション、まだまだあります

フードロス対策は、非常に広い概念で捉えることができます。今回の3製品は、あくまで一例にすぎません。みなさまの最終製品やその状況に適した「フードロスソリューション」、持続可能な社会のために、ぜひご一緒に考えさせてください。

(2019年12月)

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