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感染症に打ち勝つ身体づくりとは?

免疫とは、私たち人間や動物が持っている、身体を健康に保つための自己防衛機能のこと。普段は意識していなくとも、私たちの健康を支えてくれる縁の下の力持ちのような存在です。この免疫システムがあるおかげで、細菌やウイルスなどといった毎日接する病原体が身体に侵入しないように防いだり、体内にできたがん細胞を排除したりと、私たちは何不自由ない生活ができている、といっても過言ではありません。
今年に入って人々の関心が集中している感染症対策は、免疫力アップが一つの重要なポイントになります。加齢、運動の過不足、過剰なストレス、環境の変化などによって気づかぬ間に徐々に落ちていく免疫力・・・・・・意識して向上に努める必要がありそうです。

食生活から気をつけるなら、こんな食材

免疫力低下を防ぐためには、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用のある栄養成分が有効です。代表的な抗酸化作用を持つ成分としては、β-カロテンやリコピン、クロロフィルなどといった、緑黄色野菜に多く含まれる色素成分があげられます。最近の機能性食品成分の話題から、一度は耳にしたことがある成分ではないでしょうか。

このほかに、緑茶に含まれるカテキンやカレー粉の黄色素成分のクルクミンなどにも強い抗酸化作用があることが知られています。

安心の緑茶成分から、風邪・インフルエンザの緩和効果を確認

緑茶に含まれるカテキン、テアニンといった成分を併用することで、風邪・インフルエンザの症状を緩和する効果が期待できます。
ハーバード大学にて108人の健常人を対象に行われた研究によると、カテキン340mg、テアニン200mgを12週間にわたり摂取することで、プラセボ摂取群に比べ有意に風邪およびインフルエンザ症状の緩和させる効果が見られました。

Rowe, C. A., M. P. Nantz, et al. (2007). "Specific Formulation of Camellia sinensis Prevents Cold and Flu Symptoms and Enhances {gamma}{delta} T Cell Function: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study." J Am Coll Nutr 26(5): 445-52.より引用、改変

それぞれカテキンのみ、テアニンのみでも免疫力を向上させることが示されていますが、二つの成分を同時に摂取すると、さらに相乗効果が期待できます。カテキンは、感染の初期段階に直接的に抗菌・抗ウイルス・抗炎症作用を発揮し、テアニンは強力な抗菌性サイトカインであるIFN-γの分泌を促進する。それぞれ異なる作用機序で働くために、テアニンとカテキンの併用によりさらに身体の免疫力が向上し、感染症にかかりにくく、もしかかったとしても症状が緩和される、と考えられます。
ただ、実はカテキン340mg、テアニン200mgという量は、お茶だけから摂取するには多くの人にとっては簡単ではないかもしれません。その点を補うために、サプリメントでの摂取もお奨めします。

免疫力アップには腸内環境も大切

身体と外界の界面を担う、粘膜における免疫の働きは重要な関所のひとつです。どのような感染症であれ、外界と身体の境目を通らなければ感染のしようもないことは一目瞭然ですよね。特に腸管はテニスコート一面分以上の表面積があり、ウイルスや病原体が入り込みやすいため、数多くの免疫細胞が存在する全身最大の免疫臓器です。このため、腸内環境を整えて腸管免疫を向上させることが全身の免疫力アップにも重要です。
水溶性食物繊維は、セルロースなどに代表する不溶性食物繊維に比べて、粘膜での免疫に寄与するIgA(免疫グロブリンA)の産生を促進することが示されています。腸内環境改善や血糖値上昇抑制など様々な効果が確認されている水溶性食物繊維で免疫力まで高められるとあれば、一石二鳥を超える効率の良さ。摂らない手はないのではないでしょうか。

無理なく続けることが大切です

ご紹介した免疫力向上の方法は、いずれも手軽に試していただけるものばかりです。無理なく毎日こつこつと、免疫力を高めて健康であり続けられるよう、意識していきたいですね。

(2020年3月)

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